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今日のにっこりひまわり 毎日健康社員日記

土偶を読みました〔6599〕2021/05/10

土偶を読みました

2021年5月10日(月)晴れ!

この本、読みました?

結構話題になってるのでご存知の方もいらっしゃるかも知れませんが、これはなかなか衝撃的な本でした。「土偶を読む」。いろんな意味で、考えさせられる本でもありました。

 

土偶ってご存知ですよね。こんなのとかこんなの。縄文時代を代表する造形物で、東日本から多く出土してます。なので、高知に住む僕らにはあまり縁がない、土偶。あの土偶については、今まで、本当に様々な解釈が「想像」で行われてきました。例えば豊穣の象徴である妊婦さんを表現してる、とか。でも、どの説も決定版ではなく、あくまでも想像。しかも、一部の土偶にしか当てはまらない説が多かった訳です。

それを、考古学者ではない、人類学者の著者が、ある閃きをきっかけにして合理的に解明した、という話。この本の冒頭にも書いてるように、しょっちゅう「ついに土偶の正体を解明した」という話が出るので、この説を発表するに際しても、研究者や愛好家から「またか」と思われたようです。

 

でもね。ぜひ、読んでみて欲しいのですが、これ、たぶん、おそらく、決定版。今まで解かれなかった土偶の意味が、実に合理的に、理路整然と、解かれておりました。これ、たぶん。おそらく、間違いない。いや、細部の解釈や証明には、まだ、検討の必要だとは思う。それが学問というものだから。でも、大筋は間違っないですね。これ。

これは歴史的な事件。だって、縄文時代の謎のひとつが、長年わからなかった謎のひとつが、見事に解明された訳なので、事件だと思います。

これはいろんなこと、考えさせられる事件でした。

 

この本を買うことになったきっかけは、ネット広告のようなもの。なんか知らんけど、スマホ見てたら、この本のことを紹介する記事が表示されたんですね。よくあること。よくあることなので、通常は、無視します。なんか、機械に踊らされてるみたいで嫌だから。ところが妙に、気になる。気になってその記事を読んで見ると、なんか、説得力ありそう。そこでつい、買ってしまった「土偶を読む」

これ、分厚いけど一気に読めます。僕は一日で読みました。ネット情報も、バカにしてはいかん、と思いました。

 

内容は実に納得できるものなんですが、文章はなかなか挑発的。既存の考古学者とかには、結構キツい表現になってます。そのために出現したと思われる軋轢は、想像に難くありません。いや、軋轢があったから、こういう挑発的な文章になったのか。最後まで読むと、この理論を発表するまでには、考古学の学会の壁とか因習とか、しきたりとかの障壁がいっぱいあったことがわかります。なので、こうやって本として発表できたことで、表現も自ずから少し挑発的になってしまったのかも、知れません。

 

興味深いのは、この、たぶん「決定版」とも思える説が、どのように既存の学会に受け入れられ、定説となり、教科書に載るようになっていくのか、という推移。社会科学的に、非常に面白いテーマだと思います。ここでは湯川秀樹博士のノーベル賞受賞のきっかけになった中間子理論が、当初は学会で受け入れられなかった話が紹介されてるけど、僕は、ウェーゲナーの「大陸移動説」を思い浮かべました。1912年に発表され、学会では完全に無視された説。それは後年、プレートテクトニクスとして蘇り、西分横浪のメランジュで証明されたのは、にっこり読者の常識。

今となっては、海岸線の相似や地質の共通性などから、なんで誰も気付かんかったんだ、と思えるような理論やけども、ウェーゲナーの時代には荒唐無稽と思われ、「素人はこれだから困る」と笑われたのでした。

 

後になって見てみたら当たり前に見えるし、誰もが気付かんかったことが不思議に見えること。そういう意味で、共通していると思う。

世の中には、たぶん、このような事象がたくさん存在します。それに気付くか気付かないか。正解は、目の前に、あるのだ。勉強になりました。

 

ネットで見てみたら、既にいろんな記事や解説が出てるので、概略はわかると思います。が、著者の発見の興奮や思いを感じるには、ぜひ、読んでみて欲しい本でございます。「土偶を読む」

縄文人は、古代人は、現代に暮らす僕らと変わったものではない。同じように発想し、同じように自然を崇敬する。形而上学的な漠然とした発想ではなく、目の前のことに対処する。具体的な発想で。


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