旧吉野川橋、近代土木遺産、選奨土木遺産〔6595〕2021/05/06
2021年5月6日(木)晴れ
5月6日になりました。連休、終わり。もちろん弊社は連休関係なく、動いてましたが。みなさん、本当にご苦労様です。
で、今朝、僕は、まだ暗いうちから国道32号線を車で走ってます。お仕事。雨上がりの吉野川にうかぶ、美しい吉野川橋を撮影してみました。幾度も幾度もご紹介してきた旧吉野川橋。最初に紹介したのは2011年のことで、もう既に通行止めになってました。あのときで、架けられてから100年。なので今年で110年。
今朝の写真は、橋の東側から撮ったもの。10年前もそうでした。この10年で何は変わったかと申しますれば、木々の緑でしょう。鬱蒼としてきました。
この橋には3種類のトラスがあるのですが、その一番東側のトラスは、ご覧のように草の中。緑に覆われてます。山の緑と、トラスの赤茶色と、橋脚レンガの赤。なんという美しい橋でしょうか。
「原位置に現存する道路トラス橋としては日本最古のもの」とのことで、近代土木遺産に指定されてるのも宜なるかな。
この写真ではわかりにくいけど、あのレンガの橋脚は「イギリス積み」。明治という時代に、ここにこんな橋を架けた人々に敬意を表したい。
今は、この南、国道32号に、新しい吉野川橋。
そういえば、吉野川に吉野川橋という名前の橋っていくつあるんだろうか。ネットで検索して出てくるのは、河口に近い、徳島市の吉野川橋。この橋も昭和4年に架けられた古いトラス橋で、土木学会の選奨土木遺産に認定されてます。大豊町の旧吉野川橋は近代土木遺産で、徳島市の吉野川橋が選奨土木遺産。なるほど。どっちが偉いんだ?
近代土木遺産と選奨土木遺産。どちらも土木学会が選んでますね。「日本の近代土木遺産ー現存する重要な土木構造物2800選」なので、近代土木遺産の方が、多いみたい。高知県でもこんだけありますもの。翻って選奨土木遺産。「土木遺産の顕彰を通じて歴史的土木構造物の保存に資することを目的として、平成12年に認定制度を設立いたしました。推薦および一般公募により、年間20件程度を選出しています。」ということで、四国でもまだこれだけしかありません。この旧吉野川橋は、まだ指定されていない。
高知県の選奨土木遺産は、旭の浄水場。四万十市の麻生堰、本川の大橋ダム、須崎市の第二領地橋梁、それに熊井隧道。
そうか、熊井隧道か。レンガ積みの見事さで言えば逢坂隧道やし、意匠の凝らし方で言えば樫迫隧道やけどねー。推薦とか公募とかが大事なんですね。僕として推薦したいのは、この旧吉野川橋と、大崎の川口橋と、逢坂隧道と・・・いっぱい。
先人の偉大な仕事を後世に残す。
それはそれとして。僕は、今やらんといかん仕事を始めんといけません。連休、終わり!