地球環境と脱プラと蛇紋岩〔6533〕2021/03/05
2021年3月5日(金)雨
週間予報見ると傘のマークが多いし、近在では葉の花が満開なので、菜種梅雨なのかと思ったけど、菜種梅雨ってのは3月中旬頃から、と書いてるHPが多いし、どうなんでしょうかね。でももう、あっという間に3月中旬やし。もうすぐ、高知では田んぼの準備が始まります。なんということ。還暦間近のおじさんにとっては、時間の流れがどんどんと加速する。ああ。
加速するけど、僕らが過ごしている時間は、悠久の地球の時間の中では一瞬。今朝は街中に用事があったので、高知城の西麓に寄って蛇紋岩を撮影して参りました。そう。大高坂山には、蛇紋岩の地層があります。
とは言え、大高坂山を構成する地層のほとんどは、4億年~5億年前に形成された古い古い黒瀬側構造帯。角閃石が特徴的な地層。蛇紋岩帯は、西麓の、この界隈だけに存在するんですね。ああ。蛇紋岩、こないだから、市内某所で拾ってきた蛇紋岩をじこじこ磨いてます。石磨きが楽しくなったら、趣味も極まれり、ということらしい。知らんけど。
人間の基準からすると気が遠くなる様な長い長い年月やけど、地球は、地球の大自然は、激しく変遷をしながら営みを続けてきました。こんな岩石ができたり風化したりしながら。
でも、今、地球が直面しているプラスチック問題は、46億年の地球の歴史の中で、極めて例外的な大問題なのであります。つまり、大自然が、その循環の中でつくりあげてきた物質ではない、人類が存在しなければ地球上に存在することもなかったプラスチックが地球の循環の中に組み込まれることで、魚の骨が喉に引っかかったみたいになってしまった訳ですね。しかも、その骨は、分解されないし、取れない。石だって分解されんではないか、と言う人が居るけど、石は、堆積や風化、変性といったありようで、地球の循環の一翼を担い、地球が地球であるために重要な役割を果たしております。
例えば石灰岩。
陸上で珪酸塩鉱物が風化する。この写真の石垣に見えるチャートとかね。すると、風化によって大気中から二酸化炭素を取り込み、海に流れ込んだイオンが、海洋生物の殻とかになり、炭酸塩となって固定化される。二酸化炭素が、生物の殻になるんですね。例えば浅海の珊瑚礁とか。それがプレートに乗り、長い年月をかけて太平洋を北上、ユーラシアプレートに沈み込む際に陸上へ付加帯となって現れ、石灰岩となる。
空気中の二酸化炭素が、いつしか、鳥形山や稲生の石灰と姿を変えたのでした。ついてきてますか?
もしそんな循環がなければ、鳥形山や稲生の石灰は存在せず、地球上にはもっともっと二酸化炭素が多かった、ということになる訳ですな。
でも、プラスチックは、そんな循環に組み込まれない。100年~1000年で分解するからいいではないか、というと、そうでは決してないのであります。そうそう。既に、東京湾の魚の8割からはマイクロプラスチックが検出されてるの、ご存知でしょうか。それ、僕ら、みんな食べてるんですよ。だから人間の体内にも、今やプラスチックが入り込んでて、僕らが気づいていない影響を既におよぼしていると考えるのが、妥当。そうではないと考える方が、無理がある。
長い話になってしまった。ついつい想いが暴走しますねー。環境問題は。
つまり、僕らは、自分にできるところから、プラスチックを排除していくことをしないと、大変なことになる、という話ですね。ストローレスの取り組みは、そのひとつ。会社の流し台の食器洗うスポンジも、セルロースのスポンジに替えました。できることを、すこしづつ。
大きな話は、利口な学者さんたちが考えてくれます。
例えばこの蛇紋岩。
蛇紋岩には、二酸化炭素と反応して炭酸塩鉱物を形成する、という特徴があります。その性質を利用して、岩盤中に二酸化炭素を固定し、封じ込めるという実験が始まってるんだそう。偉いぞ、蛇紋岩。
そんな訳で、愛する蛇紋岩とともに、地球環境の改善を目指す、春の朝。