2020年ひまわり文庫大賞〔6444〕2020/12/06
2020年12月6日(日)晴れ!
そんな訳で、ちと早いけど、もうやっちゃいます。2020年ひまわり文庫大賞の選考と発表。コロナが酷くなってきて、あんまし外に出たりできんなってきたのでね。今朝も会社に出てきてるので、ついでにやっちゃいましょう。もう、今年のエントリー分は出揃ってるし。一昨日の「山中賞」に触発された、ということも、もちろんあります。
ちなみに去年は、こんな感じでした。大賞は片山杜秀さんの「鬼子の歌」。やっぱし、知性は偏ってなくっちゃ、という話。僕のツボ中の、ツボでしたねー。
さて。去年と同じように、今年の、毎月のイチオシを並べてみましょうか。
3月。巽好幸「火山大国日本 この国は生き残れるか」
4月。石井宏「モーツァルトはアマデウスではない」
6月。全卓樹「銀河の片隅で科学夜話」
10月。アンリ・ピレンヌ「ヨーロッパ世界の誕生」
11月。小林登志子「シュメル 人類最古の文明」
我ながら、見事なラインナップだ。まあ、自己満足とも言うけど。
こうやって見てみると、目につくのは「東京」モノですな。このところ、東京の地形や歴史、文明についてマイブームになってること、わかります。あとは地学と歴史と科学と音楽か。
ここに出てきてない本でも、魅力的な本は多かったっすねー。今年はコロナだったので、それに関連する本もありました。
番外編、コロナウィルス関連本大賞も選んでみました。こちろんこれ。5月の新刊でご紹介した、山内一也「ウィルスの意味論」。これは、今、ぜひ読んどかなくちゃ。
去年のイチオシには小説なかったけど、今年はついに小説が登場。9月の「闇を裂く道」。これは、丹那トンネルのとんでもない難工事について、名手吉村昭が渾身の力で描いてます。高知出身で、元京都大学総長、地質学者の尾池和夫先生お墨付きなので、臨場感満点でした。
あと、10月は、あまりにも強力な「ヨーロッパ世界の誕生」があった為に選ばれんかったけど、前田愛「都市空間のなかの文学」もイチオシ級の面白さだったことを申し添えさせて頂いて、そろそろ年間の大賞発表と参りましょうか。
ジャジャーン!
それでは、発表いたします。
2020年ひまわり文庫大賞は
全卓樹「銀河の片隅で科学夜話」
決定。いやー、難しいっすねー。選ぶってのは。最後まで、アンリ・ピレンヌ「ヨーロッパ世界の誕生」と迷いましたが、やっぱしこれ。今年の八重洲ブックセンターの「八重洲本大賞」にも選ばれたこの本は、科学エッセイと侮るなかれ。なかなか、深いです。科学エッセイって、世の中に溢れてるので、正直、期待してませんでした。著者の全卓樹先生我が高知工科大学教授だったので、まあ、読んでみようかな、と。
やられた。やられました。高知にも、良い書き手、いらっしゃいます。ビックリしました。
「ヨーロッパ世界の誕生」は、1935年に書かれた本やけども、現在の解釈にも多大な影響を与えるすごい本。とにかく、わかりやすい。ヨーロッパの中世って、どのように生まれたのか。わかりました。
今年もいっぱい読みましたねー。でもたぶん、このラインナップは、みなさんにとってはかなり偏ったラインナップで、あんまし興味は、ない。それは、知ってます。はい。知ってます。
これからも偏った本を読みつつ、でも、昨日みたいに本屋さんがおすすめする本にも素直に耳を傾けつつ、読書三昧を続けていきたいと思う所存です。
ああ面白かった。