鉄道トンネルと地滑りと〔6396〕2020/10/19
2020年10月19日(月)曇り
月曜日。毎週月曜は、いつもより少し早め、3時半頃に出勤してます。ふた仕事くらい済ませてから、高知駅7時発の特急南風4号に乗って、岡山へ。仕事です。これくらいの移動は、再開してますねー。いつまでもコロナにやられっぱなし、という訳にも参らんので。
朝の土讃線。秋の四国山地をくぐり抜ける土讃線の風景は、とってもとっても美しい。好きです、土讃線。
こんな山中に鉄道が開通したのは昭和10年。その当時の技術で、よくぞ、まあ、こんなところに鉄道を通したもの。穴内川、吉野川沿いの崖を穿ち、トンネルをくり抜いて。途中には、幾度も地滑りを繰り返してきた場所もあるのに。
地滑りと言えば。一昨日ご一緒させていただいた専門家のお話だと、専門家が見れば、そこが地滑り地帯かどうか、すぐわかるそう。簡単に言えば、急峻な山の中で、そこだけ緩い斜面になってるみたいな場所。簡単に言い過ぎやけど。
で、土讃線のルートの中にも、そんな場所、あります。ありました。たとえば、こないだ探検した土讃線の廃線になったところのトンネル。探検したのは「秋森トンネル」という廃トンネルなんですが、その隣にある廃トンネル「西屋敷トンネル」が、どうやら典型的な地滑りトンネルとのこと。
土讃線は、今は、土佐穴内駅を出ると「和田トンネル」というトンネルに入って、大田口駅へ向かうのだけれども、その和田トンネルができたのは昭和29年。それまでの19年間は、秋森トンネルと西屋敷トンネルを通るルートでした。
しかし、西屋敷トンネル内で、地滑りによるトンネルの「変状」が観測され、これはいかん、ということでルートを変更して長い和田トンネルを掘ることになった、ということにかありません。今朝の写真は、その「和田トンネル」を通過中の、特急南風車内。2000系やね。
旧西屋敷トンネルは、その中がかなり崩れてて、今はもう立ち入り禁止なんだそう。地滑りで。どんなになってるのかは、わかりません。
トンネルってーのは一度掘って出来上がってしまうと、かなり頑丈になるので、こういったケースは結構レアらしいです。でも、無い訳では、ない。調べてみると、地滑りによる崩壊で、ルートを変更せざるを得なかったトンネル、あります。関西本線の「亀ノ瀬トンネル」というのが、有名なんですね。
ウィキに詳しく書いてます。こんな感じで。なるほど。地滑りに悩まされながらも、なんとか明治25年に開通した亀ノ瀬トンネルやけど、昭和7年の大規模地滑りで、周辺を含めてトンネルも全部、土砂に飲み込まれてしまったそう。
どうしうようもないので、ルートを変更し、大和川を6回もまたぐという大技を繰り出して、現行ルートとなったのでした。
その旧トンネルは完全に崩壊したと思われてたけど、2008年に一部が原型をとどめたままで発見され、地滑り対策事業の貴重な遺構として、保存されてるらしい。レンガがイギリス積みで積まれてるそうやから、見てみたいねー。
その亀ノ瀬トンネルが掘られてたのは、ここだと思います。地理院地図の色別標高図。なるほど。亀の瀬という地名、なんとなくわかるし、言われてみたら地滑り地形ということも、わかりますね。言われてみたら。
土讃線旧線の西屋敷トンネルがあったのは、この辺。専門家は、これ見て地滑り地形だとすぐわかるんだそうです。僕は、まだまだ修行が足りません。
そんなことを思ってるうちに、汽車は吉野川沿いを北へ北へ。