コロナ渦中の酪農振興大会、バーベキューなし〔6373〕2020/09/26
2020年9月26日(土)曇り
涼しいお天気が続き、逼迫していた生乳の需給も、ようやく緩んできた今日この頃。9月の初旬は大変でした。学校の夏休みが短縮されて、二学期が早めの始まったことから、一気に需給が逼迫、牛乳の供給制限をかけた乳業メーカーも多かったようです。
そもそも乳牛って、寒い土地を原産としてるので、暑さには弱いのであります。日本の高温多湿の気候に順応するよう、改良工夫が積み重ねられてきて、今があります。それでもやはり暑さには弱い訳で、乳量は、冬場と夏場で大きく変動があります。
冬場は元気になって多く乳を出すけど、夏場はへたり込んで乳量が減る。
ところが、牛乳の消費は、暑い夏にたくさん売れて寒い冬には売れる量が減る訳で、乳牛から搾られる牛乳の量とは逆。ここが、酪農乳業の難しいところで、長い年月かけて、その需給バランスをうまく調整する仕組みができあがっているのであります。
牛乳が日持ちすれば、冬の牛乳を夏に消費すれば良いのでもっと簡単なのですが、日持ちがしないのが牛乳で、新鮮な方がおいしくて価値が高いのが牛乳だから、難しいんですね。
それでも長い年月かけて出来上がってきた仕組みでは、一番暑くなって乳量が減り、牛乳消費量が増える時期に、学校が夏休みになって学校給食の牛乳がなくなるのをうまく組み合わせて、まわってたのでありました。絶妙のタイミングとバランスね。
8月の、学校が休みの間になんとか生乳在庫を増やしておき、9月初旬を乗り切る。これが例年酪農乳業で行われてきたこと。
今、まさに体感してるように、9月も後半になると涼しくなって乳量にも回復傾向がみられ、消費量も少し減ってくることから、牛乳の需給はうまくまわりはじめるので、二学期が始まって涼しくなるまでの期間をどう切り抜けるのかが、僕らの業界の大切なポイントだったりするのであります。わかりにくいですか?
なかなか門外の方にはわかりにくいところですが、実際、長い長い年月の間に先人たちの知恵と努力で築き上げられてきた、仕組み。
今年はコロナの影響で二学期が早く始まりました。そのため、この絶妙のタイミングとバランスが崩れ、9月初旬にかつてないくらいの生乳逼迫が生じたのでした。弊社は、四国生乳販連さんのおかげでなんとか凌ぎ、供給面でお客様にご迷惑をおかけすることはありませんでした。でも、全国では、供給制限をかけたメーカーが多かったこと、消費者のみなさんはお気づきになりましたでしょうか。
業界の者は、消費者のみなさんに可能な限り気づかれないよう、必死の努力を繰り広げているのでありました。アヒルが水面下で足をバタバタ動かしてるみたいに。
今日は、南国・香南・香美酪農振興大会。南国市、香美市、香南市の酪農家さんと関係者が集まって、酪農振興について話し合い、勉強する大会。例年は、勉強会の後でバーベキューするんですけどね。今年はね。こんな状況なのでね。残念ながらバーベキューは中止。後日開かれる畜産フェスティバルも中止。
でも、勉強会は、します。万全の大勢の中。不肖わたくしも、新型コロナが酪農乳業に与えた影響などについて、お話させて頂くことになりました。
今日書いたみたいに、先人が築き上げてきた絶妙のタイミングとバランスの上に成り立っている酪農乳業なので、新型コロナ禍みたいなことになると、大きな大きな大きな影響を受けてしまうのでした。春の、休校の際には大変なことが起きましたしねー。
その大きな影響と、それに対する農水省などの対策事業、これからのこと、など、今から話しますね。
さあ、頑張ろう。