空室有りません〔6252〕2020/05/28
2020年5月28日(木)晴れ
良いお天気。本社棟の周囲をツバメが飛ぶ。
雌のツバメが、本社棟玄関上の巣に鎮座ましまし、そこに外敵が近づかんように、雄が周囲を飛び回る。僕らが下から巣を見上げてると、雄ツバメが心配そうに飛び回りながら、威嚇のポーズ。なんか、いいですな。
玄関真上に巣作りしてるので、ひとつ問題が、あります。そう。フンの問題ね。糞問題。
玄関マットに糞が落ちないよう、この巣の真下に、フンを受ける板を設置してきた過去が、あります。今回も、設置してみました。
ところが。今年のツバメ は、なかなか慎重で、その板を設置しただけで近寄らんなってしまったのです。せっかく戻ってきてくれたのに、それはまずい。そこで、慌ててその板を撤去し、本社棟1階、玄関脇の部屋に陣取る営業事務のYさんが、こんな貼り紙こさえました。
「空室有ります Y不動産」
この「ます」の部分は四角に斜め棒。Yさん、名前、見えてまんがな。
で、元のツガイでなくてもいいから、誰か入居してくれんだろうか、という願いを形にした訳ですね。甲斐あって、再び戻ってきました。ツバメの夫婦。なのであの貼り紙も剥がさんといかんのですが、よくできてるので剥がすのもったいないね。勘違いした別のツバメ がやってきて喧嘩になったら困るけど。
この、四角に斜め棒の記号。「枡記号」というらしい。
なんで斜めに棒が入ってるかというと、江戸時代以降、五合以上の枡には、上からみたら斜めに棒が取り付けられてて、ちょうど、この記号のように見えたから。では何故、そんな斜め棒が付けられたのか。
その斜め棒は、正式名称は「弦鉄」。「げんてつ」と読むにかあらん。で、その弦鉄が付けられた枡を、「弦鉄枡」と呼ぶけど、これは「つるかねます」と読むにかあらん。知らんけど。
その弦鉄の役割は?
米を枡に入れる。その表面を平らに均す。その際、斗概(とがい)とか枡掻き(ますかき)とかいう棒を使い、枡の表面を滑らせて、均す。大きい枡だと。その棒が不安定なので、しっかりと均せるように、筋交い棒を入れた。
と、ネットで調べたらいろんなページに書いてありました。
でも、理屈を冷静に検討してみたら、そんな筋交い無かっても、普通に平せそう。長い棒があったらば。
あ、ここで、「均す」ではなくて「平す」にしたのは、そっちの方が状況を正確に表現してるみたいに思ったから。どちらも「ならす」と読もう。
でも、「たいらにならす」と書くと「平らに平す」になって、なんのことかわからんなるので「均す」に戻します。
筋交いが必要かどうか、という話でした。
もし、平らに均すのに斗概を使う為、という理由でないとするならば。まず考えられるのは、強度をあげる為。筋交いみたいですもんね。大きい枡が、菱形に歪んだりせんように、筋交いを入れたのが弦鉄、という説を考えました。
次に思いついたのが、お米屋さん策謀説。つまり、いろいろと理由をつけてこの弦鉄を取り付けることにより、その弦鉄の分だけ、米が少なくて済む、ということ。実際、弦鉄付きの一斗枡の米を正確に計量したら9.89升だった、という実験結果もあります。0.11升、儲けてしまった。
いらんこと、妄想してしまいました。いや、たぶん、本当に平らに均す為なのでしょう。人間素直にならなくっちゃ。
ともあれ、今は空室、有り「ません」。ここから雛が巣立つ日まで。