コロナと伝染病と、パニックと膏取り騒動〔6190〕2020/03/27
2020年3月27日(金)
こんだけ新型コロナの感染が広がると、ここに何を書いていいのやら。
普通の年だと、桜が咲いた話や田植えが始まった話で、のったりまったり春の風景なんだけども、今年はそんな雰囲気になりません。
中国で始まって、日本でも広がりを見せつつなんとなく収束に向かうのかな、と思ってたらなんだこれは、という感じ。ヨーロッパとアメリカでの感染の広がりは、予想を遥かに超えてしまいました。こんなにも感染力が強く、広がるのが速いとは思ってなかったですね。少しでも対策間違えると、エライことになってしまいます。
確かに今は辛抱のしどころ。
人類は幾度も、感染症、伝染病の大流行で痛い目に遭い、それでもなんとか生き抜いてきた歴史を持ちます。
14世紀や16~17世紀のペスト流行は、人口の半分近くを死に至らしめたという話もあるくらい凄まじい恐ろしさだった。
日本では、長崎とかから入ってきたコレラが、10万人規模の死者を出す流行を、幾度も経験してます。
16世紀、スペインによるアステカ帝国やインカ帝国の征服は、武力もあったけど、犠牲者の大部分はスペインが新大陸にもたらした天然痘によるものでした。ヨーロッパ人は天然痘に対する抗体を持ってたけど、新大陸の先住民にはまったくなかった訳だ。
だから、明治維新の頃、欧米人は鬼であり、鬼が日本人を滅ぼしにやってきた、と騒いだ庶民がいたけど、彼たちは、一概に無知蒙昧な野蛮人とは言えなかったのではないか。もし。もし、アメリカ大陸の先住民のように、日本人が抗体を持ってないような伝染病を欧米人が持ち込んていたら、インカ帝国と同じ運命を辿ったかも知れない僕らのニッポンだから。それだけ恐ろしい伝染病。
上のような死者がでたのは、もちろん、治療薬がなかったから。治療薬ができた今は、上に書いたような規模でのパンデミックにはなりません。ペストやコレラや天然痘では。
ところが、新型コロナには、まだワクチンができていない。そこが、地球人を恐怖に陥れている訳で、とにかくワクチンができるまでの時間稼ぎが必要、という訳ですね。
でも、まさかこれほどの猛威をふるい、これほどの社会的影響がでるとは。
まだまだ地球はわかっていないことだらけ。
わかったのは、僕らは、ものすごく微妙な自然のバランスの上で、デリケートな綱渡りをしながら生きている、ということ。目に見えない極小のウィルスが発生しただけで、こんなことになってしまう。そして、助け合う社会が破壊され、デマが飛び交い。
写真は、弘化台からタナスカへ渡った所から撮影した青柳橋、そして五台山。今朝、5時半頃。
五台山の麓は吸江。ぎゅうこう。
明治2年、その吸江に、木造二階建ての洋館が建てられました。本県初の洋式治療を行う病院、吸江病院。西洋人の医師を招き、最先端の治療を行ったという吸江病院。ところが、そこにある風評が巻き上がる。鉄製の台に日本人を縛りつけ、その膏を取り、外国人の滋養に供しておる、という風評が瞬く間に広がって、一揆にまで至ったのでありました。いわゆる「膏取り一揆」。
詳しい論文があったので、リンク貼っておきます。
わからないこと、未知の領域への不安が、こんな事件を引き起こした訳だけども、この出来事を僕らは笑えない。トイレットペーパーや食料品を買い占める行動を見てるとね。
ああ。このところこんなことばっかし書いてきて、やんなってきた。
取り敢えず、牛乳はふんだんに、あります。余るほど、あります。余るほどの牛乳を、たくさんの皆さんの心遣いで、販売し、消費してくださっているのが、今。本当にありがとうございます。人の心のありがたさ。
いろんなことがあり、いろんなひとがいて、あやまちをくりかえすけど、それでもにんげん、すてたものではありません。そんなことを、このにっこりひまわりではかいていきたい。