新聞と本のある生活〔6155〕2020/02/21
2020年2月21日(金)晴れ
新聞ってえのは面白くって、あんまし興味をそそる記事がない日もあれば、ついつい読み入ってしまうような記事がたくさん載ってる日も、あります。
今朝の高知新聞。
僕は、まず一面を見た後、最終の社会面から逆に読んでいく癖があります。で、まず目についたのが21面の「協力隊員が古書店バー」という見出し。佐川町の地域おこし協力隊員が、空き店舗を借りて、ジャスとかを聴きながら古本を読めるバーを運営してる、という記事。へ~。ちょっと、行ってみたい。ただ、基本、木金の21:00~24:00という営業らしいので、行くとしたらかなりのワザワザ感になるね。でも、行ってみたい。バーとジャズと古本という、大好物の取り合わせですもの。
その隣の20面に「清水の災害記す石碑解読」という記事。土佐清水の郷土史同好会が、地元の各所に埋もれている災害を記録した石碑を調査し、解読して展示している、というもの。同会顧問の田村さんは、土佐史談会のメンバーでお話したことあるけど、今、高知県で最も活躍してる郷土史家の一人。頑張ってますねー。こういう取り組みは、速攻で世の中の役に立ちますきに。
こういうの、ご承知の通り大好物。
ページをめくってって、11面。「道標 学・術の最前線から」というコーナーで、清水克行さんという歴史学者が、自著の「耳鼻削ぎの日本史」や「日本神判史」で書いた、中世の人たちの行いについて、解説してます。現代人の感覚で中世や古代の習俗を捉えてはならない。そこには、その時代の、ちゃんとしたロジックがあり、道理があるから。それを知ることで、僕らはもっと、異文化に対して謙虚になれる、というのが清水先生の主張。なるほど。大好物ですね。
そしてその下に、「橋本治さんしのぶ会」が、親交のあった編集者や作家が集まって開催されたという記事。おう。もう一周忌か。
高橋源一郎さんが「花咲く乙女たちのキンピラゴボウ」で受けた衝撃のこと、振り返ってます。おう。僕も、1979年、大学の生協の本屋で購入して読み、衝撃的だったこと、思い出しました。高橋さんは「橋本さんの本を読まなかったら僕は作家になってなかった」んだそう。そうか。僕は読んだけど、作家にはなれませんでした。
あの青春時代に読んだ小説。「桃尻娘」から入って、「その後の仁義なき桃尻娘」、「ふしぎとぼくらはなにをしたらよいかの殺人事件」、「無花果少年と瓜売小僧」、「雨の温州蜜柑姫」などなど。
あの頃に読んで、小説以上に衝撃的だったのは、評論。最初に読んだのが「秘本世界生卵」でした。そして「花咲く乙女たちのキンピラゴボウ」、「熱血シュークリーム」。などなど。
本の題名見ただけでは、なんのことかわからんでしょ?
見事に理屈をこねくりまわした橋本ワールド縦横無尽なんですね。
その後、「春ってあけぼのよ!」で始まる現代語訳の「枕草子」から始まる古典橋本語訳シリーズは秀逸。
ひまわり文庫にも収蔵されてる「三島由紀夫とはなにものだったのか」で展開される三島論は、さすがの橋本治でした。
橋本治の著作が僕の大好物であるのは、論を俟たない。
という感じで、ふた仕事ほど済ませた後で過ごす、今朝2杯目のホットミルクを飲みながらの至福の時間。