半世紀後の、ゴミ〔5926〕2019/07/07
2019年7月7日(日)晴れ
第31回浦戸湾七河川一斉清掃ね。毎年、このにっこりでご紹介している清掃事業の風景。Jr.達がまだ小さい頃から、書いてきてます。こんな感じでね。これに写ってるJr.1号は、もう、大学出て社会人になった訳だから、月日の流れるのは速い速い。あの時が第15回。
で、浦戸湾七河川一斉清掃の前身は、鏡川一斉清掃なのである。で、鏡川一斉清掃としては、今回はたぶん49回目。第49回だと思います。半世紀ね。
そして僕は、その第一回目から参加してます。それこそ、僕が、この写真のJr.くらいの年からね。父親に連れられて、毎年参加しました。もちろん大学生の頃とかは参加してないので、49回参加ではないが、40回以上は参加してると思います。
半世紀前と今。
何が違うか。
まず、川の水質。これ、良くなったと思います。半世紀前よりも。僕らが子供の頃は高度成長の時代で、環境よりも産業発展の方が優先されてました。と、言うより、環境に対する意識は低かった。そんな中、江ノ口川は西日本一汚い川となり、浦戸湾も汚染されていった。そんな時代。これではいかん、ということで、環境に対する意識を高めようと、高知市民憲章が制定され、一斉清掃が始まった。
それから半世紀。川にそのまま垂れ流されていた工場排水や家庭排水はキチンと処理されるようになり、人々の環境に対する意識も向上して、明らかにキレイになった、鏡川。ゴミの量も減ってきてるような気がします。
でも、ゴミの質の変化は、大きな問題。
昔は、こんなゴミ、なかった。プラスチックトレーやらペットボトルやら。当時の不燃ゴミは、ビン、鉄くずなどで、そのほかは紙や木など。放置しておいても、時間の経過とともに自然に帰っていくものが多かった。
今は圧倒的にプラゴミ。ペットボトル、プラスチックトレー、ビニール袋。今年多かったのは、どういう訳か、発砲スチロールの破片ね。こんなゴミ、半世紀前にはなかったもの。
昨今、海洋ゴミとマイクロプラスチックの問題がクローズアップされてるけど、とにかくついこないだまで自然の中には存在しなかったプラスチックというものが、これからの人類社会や健康に及ぼす影響というのは計り知れないね。
僕らの業界では、今、口栓付きの牛乳パックが出はじめてるけど、これも、口栓はプラスチック。世の中には植物由来のバイオプラスチックというものがあって、牛乳パックの口栓は、そのバイオプラスチックに置き換えていこうという動きもあるみたいだけども、まだまだ時間はかかりそう。
バイオプラスチックは、燃やしてもダイオキシンが発生せず、カーボンニュートラルであると言われてますね。
あと、ストロー。紙製のストローへ、という動き、あります。あまりにもコストが違うので、普及には時間かかりそうだけども。ストローが入ってるあのビニールの袋も、紙の袋に、という研究開発も行われてます。さて。どうなることやら。
でもこうやって清掃してると、目に付くのはペットボトル。そしてビニール袋と、トレー。これが、紙とかの、自然に帰っていく素材に変わらない限り、プラスチックゴミは減らないっすよね。
そんな時代になっていくのかなっていかないのか。人類は、かしこいのかかしこくないのか。
半世紀後、ここで拾うゴミはどんなゴミになっているんだろうね。僕はもう、一斉清掃には参加してないと思うけど(してたら泉重千代さんだ)。