磯あそび〔5851〕2019/04/23
2019年4月23日(火)
今日は磯遊び。毎年恒例、幡多酪農組合さんの、磯遊び。磯あそび。
大月町のきれいな磯で、貝を獲る。焼く。食べる。もちろんお肉も焼くし、ビールも、飲む。そうやって一年の垢を落とし、懇親を深め、また、これからの一年頑張ろうと決意する、そんな日。幡多酪農組合の組合員さんたちご家族の、年に一度の催しだけども、僕らも呼んでくれるのであります。僕にとっては大切な大切な、酪農家さんたちと過ごす時間。こういう関係があるから僕らがあり、ひまわり乳業の製品が、ある。
ここは大月町の赤泊という海岸。山の方から流れてきた小川が、ここで海に流れ出る、ミニ扇状地みたいになった場所。毎年、この界隈の海岸でやります。磯遊び。
地理院地図を見てみると、赤泊、西泊、樫ノ浦という地名。そして黒碆、松碆という磯場の名前も、みえます。クロバエ、マツバエ。
高知県人が磯釣りをする際、その目印にしたり、上がって釣り場にしたりする岩礁のことを、碆(ハエ)と言いますよね。これ、全国的な名詞ではない、と知ってました?
僕は知らんかった。
このにっこりを書くのに、碆という漢字を入力しようとして「はえ」で変換ボタンを押しても、出てこない。
?
と思いましてね、で、「ハエ 磯」で検索したら、出てくるのは高知の磯場ばかりなり。釣り場となる岩礁のことを碆というのは、高知だけなのか?違うのか?
当たり前だと思っていることが当たり前でないことがあるので、ここはハッキリしとかないと禍根を残してしまうからね。大げさですね。
でもこの文字、白川静先生の「字通」「字統」には載ってない。ネットで見てみよう。モジナビというやつでは、「やじりの石・いぐるみに石をつける・また、その石のこと」と書いてて岩礁に意味は、書いてない。そもそもこの「いぐるみ」って何だ?
漢字辞典オンラインというのを見たら、上の意味に加えて「岩礁」という意味も、載ってました。そう。石の上に波が乗っかってる文字だから、岩礁という意味があるのは当然には思えます。
でも、この碆をハエと呼んで岩礁の意味で使ってるの、少ないみたい。今日は車の運転を、どうしても磯遊びをしてみたいと言い続けてきた本社のYさんにやってもらってるので、往復時間がありましたので、地理院地図で、シラミを潰してみました。片道3時間半かかるのでね。高知市からだと、赤泊に行くのが近いか大阪へ着くのが早いか、といった時間距離です。たぶん、大阪へ行く方が早いけど。
とにかくまあ、時間があるので、じっくりと見てみました。碆。ハエ。
するとわかってきた。特に多いのが、やはりこの界隈。高知県南西部。大月町、宿毛市、土佐清水市に集中的に存在する、碆。でも、須崎とか室戸とかにも存在せん訳ではない。まあまあ、ありました。室戸から北へ行っても、徳島県の南部にはありますね。碆。
でもね。そっから北には、ない。対岸の紀伊半島にも見当たらない碆。瀬戸内海の沿岸をずうっとみてみるけども見当たらない。香川県、そして愛媛県。ずうっときて、愛媛県の佐田岬半島までやってきたところで発見。佐田岬半島から南にはたくさん存在する、碆。
対岸の九州は。
ありました。佐田岬半島の西側の、豊予海峡西の海岸には、ある。あります。碆。ハエ。九州にはあるのか、と思って九州の海岸をしらみ潰しに見てみたら、ない。あったのは、高知県西部と南予に近いところだけ。
碆という名称の存在で、その文化圏を推し量るとするならば、南予と宿毛大月土佐清水、それに対岸の臼杵湾、佐伯湾は、同じ文化圏で漁師さんたちの往来があったのかも知れません。僕らが思っているよりも、ずっと身近であったかも知れないのでありました。だから、宿毛と佐伯の間にはフェリーが走ってたのか。
いつしか、道路と車が文化を運ぶようになり、少しづつ関係が薄れていったのだろうか。
ここ赤泊は、今は誰も通らないような静かな海辺。だけども、四国遍路の、隠れたルートのひとつだそうで、昔はかなりのお遍路さんが歩いてたとも言います。
人のつながり、文化のつながりや、人の往来の姿は、今の僕らからは想像できない広がりを持っていた。
それにしても、良い時間を過ごさせていただきました。ぜんぶ、おいしかった。お肉も海鮮も。アサ子さんが作っていてくれた赤飯も、筍も蕗もお漬物も。こちらのお赤飯は、砂糖を使ったもので、これがまた、嬉しい。
また、人のつながりが広がり、深まってゆく。