北向きの鹿児神社〔5730〕2018/12/23
2018年12月23日(日)薄曇り
平成最後の天皇誕生日。陛下からのお言葉、メッセージには胸に迫るものがありました。一人の「人」として、素晴らしい考え方、生き方をしていると心から思う。そんな天皇誕生日。
クリスマス前ということもあって、会社に来てます。途中まで電車に乗り、そこから走って出勤。ここはそんな途中の鹿児神社。かこ神社さん。
昨日、北向きの観音堂のこと、書きました。お宮さんとかお寺さんなどが北に向いて建てられているのは珍しい、というお話。
で思い出したのが、ここ、鹿児神社さん。電車通りの南側。舟戸の少し西。
紀貫之が国司の任期を終えて帰京する際、舟戸で見送りを受けながら船出しました。ところが別れを惜しむ人たちが磯部を追いかけて来たので、船を止め、磯場に降りて別れの宴を開いたとされる、そんな場所が、ここ。当時はここも、海だった。
水主と書いて、かこと読む。そう。大津、舟戸は港として栄え、その西の岬界隈にたくさんの水主が住んでいた。その水主たちを守護するための神様として成立していったと推察される、鹿児神社。水主神社。かこ神社。
なんで、北向いているのか。理由は単純で、水主たちが働く港が、山の北側にあったからとされてます。なるほど。
土佐で北向きに祀られている神社は、ここ鹿児神社と、浦戸湾の深浦神社くらいだと言われてるけど、どうなんだろうか。深浦神社の場合も、海が北側にあるから、神社も北向いたんだろうと思います。
では、北向き地蔵は。
土佐道路、石立十字路と能茶山交差点の間の南側。丘の上に、北向地蔵さん。また、南国市十市の東坪池にも、北向きのお地蔵さんが鎮座まします。どちらも、ご利益は「そっくり往生」「ぽっくり往生」。つまり、種田山頭火があこがれ、実現した「コロリ往生」と同じだ。周囲に迷惑をかけず、苦しまず、往生できるというご利益。考えてみればすごいご利益だね。なぜ、北向き地蔵さんにそんなご利益があるのかは、謎。
天子南面す、という言葉があるように、偉い人は、北から南向いて人に対応するというイメージ、あります。高知城なんかも、殿様の上段の間は、南向いてる。
だから、天子に仕える武士は北面するので北面の武士と呼ぶ。と、思ってませんか?
実は、全然違いました。院御所の北側に詰所があったので北面の武士なんだって。
ともあれ、高知を代表する北向き神社、鹿児神社さんも、お正月の準備に余念がありません。僕らもそろそろお正月の準備だ。