指宿とカルデラと畜産〔5686〕2018/11/09
2018年11月9日(金)小雨
そんな訳で、人生初指宿。そう。鹿児島県の、指宿。いぶすき。今日、鹿児島県の同業社さんへお邪魔するため、昨日やって来ました。朝6時高知駅の特急に乗ると、岡山乗り換えでお昼には鹿児島中央駅。なんという近さ。新幹線というのはすごいね。びっくりするような時間短縮です。
東海道新幹線ができて東京と新大阪を3時間10分で結ぶようになったとき「夢の超特急」と呼ばれた意味がよくわかる。朝、高知を出て昼には鹿児島。鉄道で。すごい。
鉄道と言えば指宿枕崎線。幾度か書いてきたように、僕は子供の頃時刻表マニアだった。交通公社が発行する時刻表が一番の愛読書。で、国鉄最南端の路線、指宿枕崎線は、僕らにとってとても魅力的な路線だった。最南端だし、名前が、長い。いぶすきまくらざきせん。だから、当時最盛期を迎えていたブルートレインを利用して西鹿児島(今の鹿児島中央ね)まで行き、指宿枕崎線に乗って終点の枕崎駅まで、というシミュレーションを幾度やったことか。もちろん最南端の駅、西大山駅は押さえておかなくっちゃ。
そんな指宿に、初めて泊まりました。
もちろん、JR指宿駅も堪能。もっと鄙びた駅、想像してました。立派な立派な指宿駅。5時台の始発に乗って鹿児島市へ向かう女子高生が、鹿児島らしい目鼻立ちくっきりで美人でした。
そして指宿と言えば、これだ。砂むし。砂風呂というのでしょうかね。海岸で、暖かい砂をかけてもらってじっくりまったり。気持ち良さそう。幾つか砂むしの施設、あるようですが、ここが一番大きいようです。砂むし会館砂楽。昨夜はたくさんの人が訪れ、楽しんでた、海岸。朝、5時前の海岸は静かで、誰もいません。
温泉と砂むし。全部、この界隈の火山活動の恩恵であるのは、言うまでもない。言うまでもないです。指宿界隈は、阿多カルデラ。阿多カルデラには、この北東の湾を形成する阿多北部カルデラと、指宿や開聞岳、池田湖を含む阿多南部カルデラがある。砂むしとか開聞岳とか、僕らに身近なのは南部ですが、薩摩半島や大隈半島に厚く堆積する阿多テフラは、11万年前の阿多北部カルデラ巨大噴火によるものらしい。その後南部で陥没がおこり、5500年前に阿多南部カルデラが噴火して池田湖ができ、そして開聞岳も形成。
そう。開聞岳ってえのは、縄文時代に出来て来た山、という訳で、地質年代的に見るとつい最近。
まだ、カルデラの火山活動は活発なので、指宿で砂むしができる、という訳だ。
シラス台地を中心とする、火山灰が優勢な土地。だから米作には適さず、芋。芋やサトウキビね。
芋をつくるのに最適な地質であることが、九州南部で芋焼酎の文化を発展させた、というのは間違いない。また、溶岩流や火砕流、火山灰の堆積などでつくられたなだらかな高原地形は畜産に適しておるので、南九州は日本でも有数の畜産県となったのでありました。
全部、鬼界カルデラ、阿多カルデラ、姶良カルデラ、阿蘇カルデラなどのお陰。
で、酪農も結構盛んで、有力な乳業も、あります。
今日訪問するのは、そんな、同業者さん。