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忘れられた島〔5678〕2018/11/01

忘れられた島

2018年11月1日(木)晴れ!

今日から11月。もう11月か。早いもんだ。どんどんと月日年月は流れてゆくね。

 

さて。こないだ、岩波写真文庫の「汽車」という冊子、ご紹介しました。同じ岩波写真文庫復刻版に、この、「忘れられた島」というのがあります。これも700円というお買い得。

これは、鹿児島の南の、こういう場所にある「黒島」「硫黄島」「竹島」の三つの島で形成される三島村のことを紹介したもの。1955年発行。昭和30年という、僕が生まれる6年前の、離島。戦後10年。もう、日本では復興が進み、今に至るような社会が形成され始めていた時代の、忘れられたような離島。1955年の時点で、まだ、電信も電話も、ない。

 

一番詳しく紹介されているのが「黒島」。

「終戦の年は3月から鹿児島との交通が途絶した。8月の終戦も知らずに、グラマンの機銃掃射をおそれて山の横穴でやっと生きていた。終戦から三ヶ月目にやっと鹿児島から船が渡ってきた。たまたま村出身の復員兵が乗っていた。それを見た部落の人たちは、兵隊が帰ってくるくらいだから、日本は勝ったのだと浜で足を踏み鳴らして喜んだ。」とある。日本の、鹿児島からそんなに離れていない島でのできごと。

 

黒島には集落が二つ。大里と、片泊。今は県道でつながっている二つの集落も、この写真文庫発刊当時は荒れた木馬道だけで往来していたとのこと。だから、文化も全然違っていた、という話。こんな小さな島なのに。

 

港は外海に面しているので、少し荒れただけでも船は近付けない。当時、鹿児島からやってくる30トンの機帆船は、1週間か10日に一回、海が荒れたら月に2回来れば上等、という状況だったそう。

それでも大里の港は、港みたいな風情であったけど、片泊は切り立った岩場で、とても港とは言えない。

 

この表紙裏表紙の写真は、竹島の港「コモリ港」。北東風が強いときは、この港を使う。眼下に、三本のロープを渡しただけの「モッコ橋。。そして朽ちかけた梯子。ここで、人間が担いで荷揚げする。

 

黒島と竹島の間にあるのが、硫黄島。小笠原諸島の硫黄島と同じ名前で、やはり火山島である。鬼界島とも呼ばれ、平清盛の怒りに触れた僧、俊寛が流された島としても、有名な島。

黒島は違うけど、竹島と硫黄島は、鬼界カルデラの外輪山なんですね。そう。こないだも書いた、鬼界カルデラ。鬼界カルデラは時折大爆発を起こしており、今から7300年前にも大噴火してます。日本列島での、一番最近の巨大噴火。

その噴火で発生した火砕流は海を越えて南九州を襲い、南九州の縄文人を全滅させたとも言われてますよね。

火山灰は日本列島広くに降りかかり、高知でも、数十センチ。高知の街の、地下20mくらいの場所に堆積している「アカホヤ」と呼ばれる地層が、鬼界カルデラ噴火の火山灰と言われてますきんね。

 

7300年前。それ以来、日本では、そんな規模の噴火は起きていません。でも、必ず、どこかで巨大噴火が起こるのは、決まってます。だって地球の営みだから。

 

今、黒島は、本土と変わりない生活をするようになっているんだと思う。圧倒的な生活の改善。でも島の人口は、この写真文庫の頃に比べたら激減。現在171人となっており、数分の一まで減ってます。

 

どんどんと社会構造が変化し、周辺部は、やはり、忘れられたように消えてゆくのか。でも、地球のダイナミックな営みは、それ以前に文明社会を覆ってしまうかも知れない。いろんなことを考えさせられる、写真文庫。


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