長瀞の混雑〔5567〕2018/07/13
2018年7月13日(金)晴れ
今日も暑い一日になります。大雨被害は拡大の一途で、その凄まじさに戦慄しています。
大雨、水害のお陰で、予定が随分と変更になりました。今日は、朝から車で本州方面へと向かっています。今、瀬戸内海に浮かぶ与島のサービスエリアで、休憩を兼ねてにっこり執筆中。
高知自動車道が、立川橋上り線の崩落によって通行止めになりました。今日のお昼までに、下り線を対面通行にして再開する、という新聞記事ですが、今のところ、まだ、通行止めは続いてます。迂回路は国道32号線。まあ、昔は国道32号線しかありませんでした。
昨日の朝、その迂回路たる国道32号線の、県境付近のトンネルで大型車同士の事故があり、数時間通行止めになってました。大動脈中の大動脈が、こうなってしまうと、高知県にとってのダメージは大きい。
高速道路があることに順応してしまった社会は、一旦こういうことになると、脆いということを実感します。
写真は長瀞。大豊町の、豊永の手前。横を流れるのは吉野川で、向こうに架かるのが長瀞橋。その向こうが豊永駅のある集落。時刻は6時半。
6時半に、こんなにも車が走っている国道32号線を見ることは、なかなか無いこと。偶然乗用車が多く写ってますが、実際は、走っている車の3分の2以上はトラック。高知自動車道が物流の大動脈になっていることが、そんなことからもよくわかります。
長瀞。ながとろ。以前にも書きました。長瀞といえば埼玉県秩父の長瀞ですが、ここ、大豊にもあります。どちらも、たぶん、断層が織りなす風景。
氵に静かと書いて、「瀞」。もう、見てわかる通り、この漢字は静かな静かな水の流れを表現しており、それを「トロ」と読ませるのも実に納得感満載。トロトロと流れる場所が長く続くので、長瀞。
この横を流れる吉野川は、まさしく、長い直線をトロトロと流れています。豊永駅の前で瀬になり、急流になってゆく。
ここは四国では存在感のある三波川変成帯。南に隣接する御荷鉾帯ほどの地滑り帯ではありません。
いつもの20万分の1シームレス地質図を見てみると、この長瀞に並行するように断層が見えます。その断層が直線であることが、この長瀞の直線をつくりあげたと見て間違いないでしょう。
ぜひ、20万分の1シームレス地質図の、豊永駅界隈を見てみてください。
そして、この場所の左上。北西の方向に、縦に伸びる断層。その断層は愛媛と徳島の県境に沿うように走り、高知自動車道、笹ヶ峰トンネル南出口を通って南へ。
あの、高知自動車道立川橋上り線を巻き込んで崩壊した斜面の上に、その断層が走っています。
地質と土木工事。
専門家が、この課題に長い年月取り組んできてるけど、それでもやはり災害は起きる。ここが、難しいところ。災害の後でこうやって見てみて、なるほど、と思うのは簡単ですが、実際にはそんな単純な話ではありません。
大自然の織りなす地形。断層の織りなす地形は美しいけど、大自然の脅威の産物でもあります。
早朝の、この交通量を見る。人間は、大自然の脅威の中でも、前に向いて進んでいくんだ、ということを実感する風景。