炎の牛肉教室!やまけんと僕の歴史〔5358〕2017/12/16
2017年12月16日(土)曇り
出ました。
この本の著者、山本謙治さんは、通称やまけん。肩書きは「農畜産物流通コンサルタント」で「農と食のジャーナリスト」。農業新聞とか、専門料理とか、色んなメディアでも活躍されている人物。このにっこりひまわりにも幾度も登場しているので、古い読者さんにはもうお馴染みの、やまけん。
その「やまけん」さんが、2007年頃から熱心に熱心に取り組んできた「牛肉」に関する取り組みを纏め、牛肉の美味しさや流通の真実について熱く語っているのが、この本。まだ、出版されたばっかりのほっかほか。
2017年12月20日第1版発行などと書かれているので、まだ正式発行日にもなってないではないか。
それはともかく、日本の牛肉、特に和牛の肉について、現状と問題点、将来について書いてます。黒毛和牛が最高に美味しいというのは神話であり、一流の料理人が選ぶのは、キチンと肉に肉らしい風味があるもの、という論点。日本には「和牛」と呼ばれるのは4種類。おなじみ「黒毛和種」に、岩手などで飼われている「日本短角種」、山口県に少しだけ存在する「無角和種」、そして我が高知や熊本で飼われている「褐毛和種」だ。
近年ブランドが確立し、熊本の褐毛牛は「くまもとあか牛」で高知のは「土佐あかうし」。漢字とひらがなの使い方に注意しよう。この二種は、遺伝的にはそもそも違うルーツであるとのこと。
サシが入っていればいるほど等級が高く、美味しいとされてきたのは、実は最近のこと。海外からの牛肉輸入が自由化される中で、日本はサシで勝負しよう、となった歴史的経緯。そして、実は、その等級は「美味しさ」を表しているものではない。
近年の赤身肉ブームや熟成肉ブームの中で、ようやく流れが変わってきたけど、まだまだ肉に対する認識には誤解も多いので、やまけん、この本を書くに至った訳だ。
でですね。
この本の、やまけんと「土佐あかうし」との出会いの話に中に、僕の名前もちょっとだけ、出てきます。えっへん。懐かしい、やまけんとの歴史だ。
このにっこりひまわりで最初にやまけんをご紹介したのは2007年6月3日、5日の、週刊アスキーの取材のとき。もう、10年になるのか。
この時に久々の再会を果たした僕は、やまけんの素晴らしい活動を知り、翌年、とある勉強会に講師として招くこととなったのでありました。それは2008年8月16日のこと。その翌々日のその話を書いてます。
そう。その日の出会いのことが、この本の中にでてくる。あの時は、やまけんが高知県のスーパーバイザーに就任し、その後の展開に深く関わっていく(土佐あかうしが黒毛和牛の人気を超える)など、予想もしてませんでした。なんという出会い。
2014年2月7日のにっこりに、詳しい経緯を書いてます。
奇跡の再会から10年。
土佐あかうしを巡る環境は、凄まじく変化しました。
この本にも書いてるけど、2016年度には、全国の肉用品種の中で唯一、土佐あかうしだけが、飼養頭数が増加に転じたのである。黒毛和種でも減少する中で。
まだまだ課題もあるし、やるべきことはたくさんあるけど、取り敢えずここまで来た。感慨深いものがあります。
まず、そもそもの土台として、とても良い肉質の褐毛牛がいた。それがそもそも。でも。その価値をキチンと伝え、広めていく努力。それなくしては、ブランドの確立は、ない。
良い素材。良い商品化。良いマーケティング。全部揃うと、奇跡が起きる。