たけとるな〔5322〕2017/11/10
2017年11月10日(金)良いお天気だ
今朝は香川。西日本事業部ミーティングで、やって来てます。
写真は、西日本事業部にほどちかい某所。山裾に、こんな場所があります。竹林。鬱蒼とした孟宗竹の林ではなくて、なんか、ちょっと整備された感じの竹林。神様がいそうな、幽玄な雰囲気もそこはかとなく。
その静謐な沈黙を破るかのような看板が、目立ちますね。
私有地 たけとるな
こっから入って竹を取っちゃダメ、という強い意志を感じさせる、黄色い看板だ。興味深いのは「たけとるな」。そう。「たけのこ取るな」という看板は、見たことあるような気がします。高知でも。でも、ここのは「たけとるな」。だ。竹そのものを取っていく輩が居るのか。
ひょっとしたら、上にも書いたように、その辺に鬱蒼と生えている孟宗竹ではないのかも知れません。だって、そんな孟宗竹ならあたりかしこどこにでも、現代の日本では鬱蒼と生い茂っているので。
で、この「たけとるな」で思い出すのはかぐや姫のおじいさんだ。竹取の翁。彼は、竹取。竹を取ることを生業としていたおじいさんだ。「野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけれ」と「竹取物語」にあるらしいので(読んでないけど)、どうやら竹を何かに加工し、販売していたのかも知れません。いわゆる6次化というやつか。政府が進める6次化事業を行っていた、竹取の翁だったのか。
昔話のおじいさんの職業で一番有名なのが、この、竹取でしょうか。あと、桃太郎のおじいさんの「芝刈り」。たぶん正確には「柴刈り」。
我々現代人が思い浮かべる「芝刈り」は、乱雑に伸びてしまったり雑草とがが生えた芝生を、キレイに切りそろえること。ゴルフ場もなかった桃太郎の時代に、それが職業になるはずもなく、もちろん山で「柴」を刈ってくるのがお仕事だ。
すると、それは燃料なのか。と思うでしょ?
普通、山で柴を刈ってくるとなると、それは燃料にすると思うのが現代人だ。でもね。もっと大量に山の木々や草が使われた用途がありました。肥料だ。
里の田畑には、肥料が必要。もちろん人糞なども貴重な肥料で、江戸時代には鰯カスなど、いわゆる「金肥」と呼ばれた肥料も普及する。購入肥料ですな。でも、一番一般的で、皆が利用していたのが山の草肥。いわゆる刈敷というやつですね。
さて。
ここで、竹取の翁に話を戻そう。
上に書きました。竹を加工して販売していたのか、と。6次化であったのか、と。
実は、竹には非常に多くの用途があったと言われてます。
建築資材、生活資材はもとより、燃料などにもたくさん使われたそう。竹細工をやっていた職人さん、みたいなイメージを持ってしまうと、間違う。竹取の翁は、そんなお洒落な職人さんではなかった。どちらかと言うと、建築資材、燃料、生活用品一般を竹で供給する、まあ、ホームセンターみたいな人だったんでしょうかね。違うかも知れんけど。
この竹林の竹が何に使われているのかは、知りません。こうやって「たけとるな」と言われると、気になって気になって。現代の竹取の翁は、どんな用途で、どんな付加価値を付けて、竹を売っているのだろうか。
まあ、そんなことはともかく、仕事仕事。僕らは、生乳や野菜などの優れた一次産品に、ひまわり乳業ならではの付加価値を付けて売るのがお仕事。