夏の美術館〔5224〕2017/08/04
2017年8月4日(金)夏空
夏の写真を撮ってきました。
ここは今朝の高知県立美術館。美術館の西側には池。その池に映る美術館と、夏の空。いかにも暑そうな風景。クマゼミのけたたましいワシャワシャが、この写真からも聞こえてきそう。
この池は、かつて、もっと広く北へと広がっていた。今、北側は埋め立てられ、高知市の下水処理上「高須浄化センター」になっています。
現在の航空写真はこんな感じで、1974年頃の航空写真は、こう。
この美術館ができたのが1993年。もう、24年にもなるのか。そんなになるのか。四半世紀。美術館ができるまでは、展覧会は郷土文化会館とかでやってましたね。だから、美術館ができたときは嬉しかった。高知にもやっと美術館ができた、と。
で、シャガールのコレクションが話題を呼んだ訳だが、その1200点のコレクションの中心となるのが800点の、大川功さん寄贈の版画。ご存知CSKの創業者、立志伝中の人物大川功さんの厚志がなければ、あのシャガールもなかった訳だ。
そして寄贈といえばもう一つ。
石元康博フォトセンター。
石元康博さんは、アメリカ移民の子として生まれ、3歳で両親の故郷土佐市へ帰郷。農業高校を卒業後再び渡米し、そこで戦争を迎える。コロラドの日系人収容所に収容され、終戦時にシカゴへ。その過程で写真家を志し、アメリカと日本で活躍した人物。
日本の写真家や建築家に大きな影響を与えたという石元康博さんの作品展を、この美術館で催したことがきっかけになって、2004年、そのおびただしい写真作品が寄贈されることになり、そしてできたのが石元康博フォトセンター。これも、寄贈によって成り立っている。本当にありがたいこと。
そのホームページはこれだが、この中の「うつりゆくもの変わりゆくもの」という連載コラムは面白い。ぜひ、読んでみてください。
かつて田んぼと池しかなかったこの場所に美術館ができ、そこに、人々の志によるコレクションが並ぶ。嬉しいこと。幸福なこと。幸運なこと。
高知県人、これを、大切にせんといかんですね。何気なしに美術館を訪れますが、こういった先人の志で成り立っている、ということも、忘れてはいかん。
そんなことを書きながら、そういえば、しばらく美術館も行ってないな。ゆっくりまったりじっくり美術館で過ごす時間、というのを、どこかの休日に作ってみよう、と、思いました。
忙しさにかまけて、色々と見過ごしてます。こないだまでやっていた、高崎元尚新作展も、見過ごしてしまった。中学校のとき、高崎先生に技術を習いました。この新作展の最中に逝去されたのも、先生らしい。
授業で作った僕の作品は、誰が見てもダメな下手な作品だった。それを見た高崎先生が「まあ、出来栄えはともかく、発想はエイね。」と言うてくれたのに救われたことを思い出す。
あと、昨年に開催された大原治雄写真展、というのも、行ってみたかった。よくまあ、こんな写真家を発掘してくるもんだ。高知県立美術館も、なかなかやります。
そうそう。駐車場のところの自動販売機は、弊社が設置してあるものであります。ので、美術館へ行く際には、飲むのを忘れないように気を付けましょう。