ひまわり文庫、2017年6月の新刊〔5161〕2017/06/02
2017年6月2日(金)晴れ
そんな訳で6月の新刊。
個人的読書趣味の塊、ひまわり文庫を始めてもう1年半。あらためて文庫の蔵書を眺めてみると、自分の人間性がわかってしまうようで、恥ずかしい。ああ。
まあ、それはそれとして早速6月の新刊をご紹介しよう。今回はちょっと少なめ。事情があります。
まず。
右端の「介良のえらいて増補版」。元日本経済新聞編集委員で、株式の専門家だった鍋島高明さん。高知の介良出身で、退職後は「高知経済人列伝」などの高知にまつわる本を書き始めたおじさん。土佐史談会でご一緒させて頂いているご縁で、この本を贈って頂きました。以前に書かれた「介良のえらいて」の、増補版。前回の70名に17名が加わり、87名の、介良出身のえらいてをビシバシ紹介してます。
左端は「長宗我部」。長宗我部元親の末弟、親房の子孫になる、長宗我部友親さん(元共同通信経済部長)が、長宗我部家の長い長い歴史を、自分の家の歴史として解説してます。特に、大坂の陣で盛親が斬首されて以降、長宗我部姓を名乗ることを許されず、山内家の家臣として目立たぬように過ごしたという藩政期の話は、悲しくも興味深い。
この2冊の著者。高知で生まれ、早稲田大学を卒業後、全国紙の新聞社で、経済畑の記者として活躍し、退職後、高知のことを本にする。実に似た経歴を持つことに、今、気付きました。不思議なご縁と申しましょうか。二人とも、早稲田とは。
さて。その右にあるのが「働き方の教科書」。そう。マイブームである出口治明さんの、各年代いかに考えいかに働くべきかを説いた、本。これも佳い本だ。右から2番目も、出口さんの本。「ビジネスに効く最強の読書」。仕事の、様々な局面で読んだら良い本を、出口さん目線で紹介。最強の読書人、教養人らしいセレクトは圧巻だ。
ここでニュース。なんと。僕が世話人をつとめる「こうち情報倶楽部」という少人数の勉強会があるのですが、その勉強会で、出口治明さんを講師に迎えることのなったのだ。すごい。せっかくなのでオープン形式にしよう、となりまして、7月1日15:30から、高知商工会館開催することとなりました。もし、ご興味がございましたら小生まで。いや、それにしても、すごい。
その「ビジネスに効く最強の読書」で紹介されていた中の一冊が「気候で読み解く日本の歴史」。日本の、様々な歴史的局面は、その時期の気候によって引き起こされたものが多い、という本。例えば応仁の乱とか。ご想像の通り、僕のツボ。
左から3番目。「ヨブ記講演」。金高堂でぶらついていて、目に止まったので、買いました。旧約聖書でも不思議な内容で知られるヨブ記。とんでもなく信心深い、神にとっては可愛いはずのヨブが、これでもか、これでもかというくらい不運と災厄に見舞われ続けるという、まったく救いのない不思議な話を、内村鑑三さんが、読み解く。
その右は万城目学のエッセイ集、「ザ・万字固め」。もうね。これね。読みやすい面白い。万城目学は最高だ。息抜きに読む本。
その右。「素数の音楽」。
これは出張中に立ち寄った本屋さんで見つけ、買ってしまった。数学の面白い本。6月の新刊が少なめなのは、この本を読むのに時間がかかったから。深く読み込んでしまいました。難しいですしね。でも、最高。リーマン予想をめぐる様々な数学者の人生を描き、最後の方では、リーマン予想が量子の振る舞いとつながっていることがわかった、という、この世の中の不思議を説く。素数という、数学上最大の不思議な存在と、素粒子、量子理論が結びつく。なぜ?
そして最後。
「洞窟バカ」。6月新刊で一番気に入った本だ。金高堂朝倉ブックセンターをうろついていて、ふと目に止まった本。「すきあらば、前人未到の洞窟探検」というコピーに引っ掛かってしまった。まったくの、ツボだ。
人が探検したり、観光地化されているような洞窟には興味がない。前人未到の洞窟を探し求め、潜りこみ、探検するのが大好きなおじさん。真っ暗で、何があるやら先がどうなっているやらワカラナイ洞窟を探検することに取り憑かれてやまない男。
世の中には、ヘンテコリンな人が、居ます。でも、僕には完全に理解できます。完全に。僕も、若いころ、こんな探検をする技術を身につけておきたかった。
とにかく魅力的でばかばかしい本。
そんなこんなのひまわり文庫6月の新刊。「素数の音楽」もおすすめだが、やはり「洞窟ばか」だね。