津波予想と地形〔5159〕2017/05/31
2017年5月31日(水)薄曇り
よくあるご質問。ひまわりさんの工場、津波は大丈夫なんですか?
ごもっとも。海岸から3kmちょっとしか離れてない、川沿いに建つ工場なので、浸水が予想される高知市内の皆さんとかにしてみたら、かなり危ないのではないか、と想像されるのでありましょう。
結論から申し上げます。
大丈夫です。
まず、南国市の津波ハザードマップ。これを御覧ください。今年3月に作成された最新の「南国市津波ハザードマップ」が、これ。これを見ると、高知大学農林海洋学部辺りで、最大3mの津波が想定される。で、そこから北は0.3m~3mくらいの最悪想定。そして、国道55号線に突き当たる。国道55号線、通称南国バイパスは、見事に堤防の役目を果たしてくれるという図が見て取れる。
国道から北は、0.3m未満の色目が少し見えますが、それも、ひまわり乳業南国工場の南まで。そう。南国市の津波最悪想定でも、なんとかセーフの位置にあるのが、我が工場という訳だ。
これを言うと、皆さん、驚きます。なんで?てな感じ。
実は、高知空港を含む、この地帯は物部川の扇状地で、古く、物部川の土砂が堆積した場所。なので、結構、標高は高い。
例えば、高知空港の玄関前。あそこで、標高6mちょっとあります。高知工専の玄関前も、6m。高知大学農林海洋か学部正門前が7.3m。正門前の、南北の県道を南から北へと見上げてみよう。標高が北へ行くに従って徐々に上がっているのがわかる。
写真は、高知大学より少し北へいった場所。ここが標高9m。北に上がっていっているのが確認できる。できるよね?
そして、国道の高架の下。あそこで12.2m。そう。10m以上あって、その上に道路がつくられているので、道路が堤防になって、津波はそこで跳ね返されるようになってます。で、国道下を抜けて北上すれば、弊社の工場が13.7m。津波はそこまで上がってこない、という最新の想定になってます。まあ、用心はせんといかんですが。
これ、全部、地理院地図で調べた標高。
そして、そんな、微妙な地形高低が、今の地理院地図で視覚的に見れるようになっている。これ。色別標高図。これはなかなかすごい。緑が濃いほど、標高が高い。徐々に海側から陸側にかけて高くなっているのが、視覚的に理解出来る、秀逸な図だ。
この色別標高図を、もっと広範囲に見てみよう。南国市から高知市までが見れるような高さから見たのが、この図。ほら。南国市の、物部川に近い辺りは緑色。高知の市街地は水色で、ほとんど0mに近い低さであることがわかりますよね。
この色別標高図は、古代、高知の市街地がすべて古浦戸湾の底であったことも、陸地がどこであったことも、想像できる図になってます。
昨日、久々に走って帰ったので、今朝は空港バスで出勤しました。今の空港バス、空港へ到着した後、工専、農学部前までまわってくれます。農学部前終点で下車し、県道を北上しながら、この写真を撮りました。歩きながら、地域の防災を考える、朝。