月と金星と駱駝とヤギ〔5150〕2017/05/22
2017年5月22日(月)良いお天気
良いお天気の月曜日。
夜明け前の東空には、お月様と金星。この写真ではわかりませんが、お月様は月齢22の、細い細い三日月。三日月と金星が並んで見える風景はいかにも美しい。
それにしても午前4時。4時なのに、もう、東の空が明るんできました。まだ、夏至までは一ヶ月もあるのにね。
この写真は、鏡川大橋の上から撮影したもの。右手の明るいところが弘化台の市場。正面には五台山。
三日月と星の組み合わせを見ると、トルコなど、イスラム圏の国旗を思い出す。イスラム圏では、三日月は、これから大きくなるという発展のシンボルで、トルコだけではなくてパキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンなどの国旗には三日月。
今朝の三日月は、右上に口を開けた、新月に向かうお月様なので、国旗には使われません。
以前にも書きました。砂漠の国では、太陽は、神々しいと同時に死に直結する恐ろしいもの。遠くへの移動は、夜、月明かりの下で行っていた。お月様が大切にされるのは、そんな背景もあったと言う。月の砂漠をはるばると。
月の砂漠。
月の砂漠をはるばると 旅の駱駝がゆきました
金と銀とのくら置いて 二つならんでゆきました
先のくらには王子様 あとのくらにはお姫様
乗った二人はおそろいの 白い上着を着てました
この印象的な歌詞をつくったのは、抒情画家の加藤まさを。大正12年の発表。どうしてこんなにも絵画のような歌詞なんだろう、と思ってましたら、画家だったんだ。なるほど。
日本人がアラビアの砂漠に持っている、漠然とした、ロマンチックなイメージを絵画にし、それを文字に置き換えた、という感じ。実際の砂漠とは随分違うんでしょうが、それはそれ。
実際、加藤まさをがこの作品を少女倶楽部に発表した際、自分で描いた挿絵には、フタコブラクダが描かれていたそう。
加藤は、砂漠どころか、外国に一度も出たことがなく、この歌詞と挿絵をつくりました。イメージしていたのはアラビアの砂漠ですが、それだと、ヒトコブラクダでないとおかいいですきんね。フタコブラクダはゴビ砂漠ですき。まあ、それはそれ。
で、アラブの商人は、月の砂漠をはるばると、ヒトコブラクダに乗って移動していた訳だが、羊の胃袋でつくった水筒に乳を入れてぶら下げているうちに、なんか、固まってきた。食べてみると美味しいではないか!というのがチーズのはじまり、という伝説がありますが、これはね、ちょっとね、後付けだね。
だって、紀元前4000年のメソポタミアで、すでにチーズがあったと言いますき。
原理的には、羊の胃袋の酵素が働いてチーズとなる。これは、僕らにはよくわかる。レンネットだ。この時のミルクは、間違いなく、ラクダではない。
なぜかと言うと、普通のレンネットでは、ラクダのミルクは凝固しないからだ。
近年、ドバイとかの中東で、科学技術を駆使してラクダのチーズが作られるようになったそうですが、ホントに最近のこと。
ラクダのミルクを飲んでいた砂漠の商人は、ラクダのチーズは食べなかった。だって、できないんだもん。するとこの羊の胃袋に入れていたミルクは、いったい何のミルクだったのか。山羊であったとの説が有力。そうか、山羊か。
今、弊社でもヤギミルクを販売してます。南国市の川添ヤギ牧場の、ミルク。これをチーズにするに如くは無し。いつか、やってみたいと思ってます。ラクダのチーズよりは作りやすいし、うまそうだ。