球場と思想〔4945〕2016/10/29
2016年10月29日(土)薄曇りじゃけえのう
そんな訳で、今朝は広島。25年振りにリーグ優勝を果たし、日本シリーズで日ハムと死闘を繰り広げている、広島カープの本拠地、広島。
いや、日本シリーズを観に来た訳ではなくて、昨日開催された会合への出席のため、バスに乗ってやって来ました。
昨日の広島は、一昨日のサヨナラ満塁ホームランのショックが尾を引いていました。が、まあ、切り替えて今日明日連勝じゃけえのう。
で、今朝は、繁華街のホテルからズムスタ〜比治山と走ってきました。
写真は、今朝6時過ぎのズムスタ。MAZDA zoom-zoom スタジアム広島。いや、もっと正確に言うと、広島市民球場。
広島市民球場というと、原爆ドームの近くにあった、あの広島市民球場を思い浮かべますよね。あれが初代広島市民球場。
で、2009年に完成した、この新しい球場が2代目広島市民球場。広島市が所有し、広島東洋カープが指定管理者、という構図なんだね。
そう。なので、MAZDA zoom-zoom スタジアム広島と書かれたところから下をよく見てみて下さい。入り口の上に小さく「広島市民球場」。
幾度も書いてきたので、皆さんはもう、ご存知ですよね。
旧広島市民球場老朽化に伴い、新しい球場建設の研究が始まったのが、1980年代。で、当時の流行として、ドーム球場の建設が検討されて、いた。地元財界もこぞってドーム球場を推しておりました。
その後、様々な紆余曲折があり、松田オーナーの強い意向もあって、現在のような、日本で初めてのボールパーク思想を取り入れた複合型娯楽施設となったのでありました。もちろん天然芝。
観客との距離が近い。野球だけでなく、家族でゆっくりと楽しめる。観客席上部の、球場をぐるりと廻れる広いコンコース。
松田オーナーを始めとする球団関係者の、見事な先見の明。
建設計画当時、財界もマスコミも、こんな球場ができること、イメージできんかったんでしょうね。かなりの反対を押し切って、MAZDA zoom-zoom スタジアム広島の基本設計ができました。
やはり、大切なのは思想。
流行は、目先に左右されない、断固たる信念と、思想。
この球場に来る度に、そんなことを思い知らされます。思想の大切さ。
これは、都市計画や国家プラン、まちづくりにも言えることでしょう。昨日、片山元鳥取県知事のお話を聞きました。国の言うこと、やることを鵜呑みにしてはいけない。自分でしっかり考えよう、という趣旨。地方創生の基本は、そこ。
省庁の地方移転、という掛け声は、今のままだと、絶対に、お茶を濁して終わってしまう。官僚とはそういうものだ、とおっしゃっておりました。本来、地方が、「うちに省庁を移転してきてください、お願いします。何でもします。」などというものではなく、省庁側が地方に対して「そちらに移転させて頂きたいのですが、何卒よろしくお願います。」と頭を下げて頼み込むものだ、という話。いや、その通りだ。
少し話が逸れました。
今年のカープがあるのは、このMAZDA zoom-zoom スタジアム広島ができ、球団のマーケティング戦略や、人事、運営方法が功を奏したから。
底にあるのは、思想。