八幡様のヤママユとベネズエラ・ヤママユガ〔4916〕2016/09/30
2016年9月30日(金)曇り
昨日は、降水確率80%でしたが、結局降らんかった。湿度は猛烈に高く、時折強烈な日差し。なので、まあ、蒸せたこと蒸せたこと。なんか、サウナみたいな一日でした。
さて。
写真は、今朝の野市、上岡八幡宮さん。拝殿の扉に大きな蛾。いや、大きい。幅は10cm近くありそう。しかも、なんか、美しい。
帰って調べてみますれば、ヤママユだ。なるほど。
ヤママユ。ヤママユガ。テンサン(天蚕)とも呼ばれる、日本人には昔から馴染みのある蛾なんですな。
この蛾がつくる繭は薄緑で、その繭から取られる生糸、高級品として取引されるんだとか。普通の蚕の生糸に比べ、100倍の値段がする、などと書いちゃあります。すごい。
高価な理由は、その生糸が細くて非常に高度な技術を要するからにかありません。生産量も少なく、細くてしなやかな、天蚕。テンサン。ヤママユ。
そう言えば、こないだ、高知県内に残る養蚕農家は1軒になった、てな記事が高知新聞に載っちょりましたよね。かつては、山間農家の貴重な貴重な収入源であった、養蚕。生糸は日本の重要な輸出品目で、養蚕は、重要産業のひとつとして奨励された。
で、昭和初期には、高知県内に5万戸を超える養蚕農家があったと言う。それがなんと、1軒ですきんね。
仁淀川町岩丸の、森本さんという方。収入は小遣い程度にしかならんそうだが、蚕の世話が、森本さんの人生そのものになっちゅうがでしょうね。岩丸と言うと、旧池川町。池川から松山へと抜ける昔の松山街道の、谷川の対岸。
よく通る道なので、今度、寄ってみたいと思っております。
ヤママユガ。
この名前、どっかで聞いたぞ、と思うて、にっこりひまわり内を検索してみたら、ありました。ベネズエラ・ヤママユガ。
節足動物のことを調べておって、地上最強の節足動物、ベネズエラ・ヤママユガに行き当たった訳だ。ギニア高地という、標高差1000mの切り立ったテーブルマウンテンの上。人跡未踏の地がたくさん残る、そんな場所に生息するベネズエラ・ヤママユガの幼虫が、地上最強の節足動物と言われておるんですな。
以前にも書きましたが、今一度。なぜ、地上最強なのか。全身トゲトゲで、そのトゲに刺されると、傷口から出血して止まらなくなる。しかも、内臓や脳内にも出血をもたらし、腎臓をやられ、腎不全で死に至る。これは、出会いたくない虫の筆頭ですな。
それに比して、このヤママユの幼虫は青虫みたいで可愛らしい。同じヤママユガでも、えらい違いだ。
まあ、人間にとってそう、というだけで、ベネズエラ・ヤママユガに罪は、ない。ギニア高地というロストワールドのような特異な土地で、特異的に進化したのでありましょう。
ヤママユガというくらいなので、繭をつくるんでしょうね。その繭から生糸は取れるんだろうか。取れたら、どんなシルクになるんだろうか。試した人はいるんだろうか。
とんでもなく素晴らしいシルクができるとしたら、ベネズエラ・ヤママユガを飼育して、生糸を生産しようとする人が出てくるんだろうか。
いや、たぶん、絶対、でてこない。そんな危険なもの、誰が飼うんだ?