明見橋から金星を見る〔4615〕2015/12/04
2015年12月4日(金)晴れ
今朝、家を出る際には、まだ少しだけ雨が。昨夜降った雨が、まだ幽かに残る午前4時過ぎ。
昨日は久々に走っての帰宅。しばらくよう走ってなかったので、いつの間にか走りやすい気候になっちゅうがに驚きました。
で、今朝は自転車で出勤。電車通りを走ってみました。早朝の電車通りは、ほとんど車も通らず、くねくねと静かな風情を楽しませてくれる道。
ここは明見橋。南国市と高知市の境目から少しだけ南国市に入ったところ。明見橋という電停があって、そのネキに、明見川に架かる明見橋。みょうけんばし。その橋の上から東の方角を撮影してみました。朝、5時前でしょうか。
小生の姿が幽体離脱みたいになっちょりますが、これは、シャッタースピードを落としちゅう為なのでご安心ください。
とは言えこの界隈は、古い、人々と神々が綯い交ぜになって来た土地。不思議な風景が写っちょっても不思議ではない場所。
明見は妙見で、現在は星神社になっちゅう妙見様に由来します。この橋の南側の集落に鎮座まします妙見様、星神社。南西の山麓には明見彦山古墳。そう。立派な古墳。南側の山は高天原山で、山頂界隈にも、そして山裾にも、たくさんの古墳がある山。
嘗て、権力者にとってとても重要な山であったのは間違いない高天原山。名前からして、もう、違いますき。高天原山。神々の山だ。
妙見信仰は北辰信仰。北極星。いつも同じ場所で動かない北極星は、太古の昔より、古今東西信仰の対象になって来ました。日本でも各所に妙見様が祀られ、廃仏毀釈運動を経て、今は星神社になっちゅう所も多いのはご承知の通り。
で、妙見様の鎮座する明見の北、明見橋の上から撮影したのは、北極星ではなくて金星。あかつき。
写真中央に、金星が美しゅうに輝きよります。
金星。
その大きさや成り立ちが地球と似いちゅうので、地球の姉妹星のように思われちょりましたが、その環境はとんでもない、ということが1970年代からの旧ソ連の探査などを通じて明らかになってきた、という話は以前にも書きました。
何せ、大気のほとんどが二酸化炭素。そして硫酸の雲。強烈な温室効果と太陽への近さもあって、地表の平均気温は464℃と言います。地表の気圧は90気圧。それがどれっぱあのものかと申しますれば、ソ連が送り込んだ探査機は、重さ660kgあって、50kmの高さからパラシュートも付けずに自然落下させ、無事地表に降りて来れた、それほどの気圧。
昨夜、7時過ぎ、JAXAの小惑星探査機「はやぶさ2」が、目的地の小惑星「リュウグウ」へ向かう軌道に乗せる為のスイングバイを地球で行い、最接近した、とのこと。ニュースでやりよりました。うまく軌道に投入できたかどうかが判るのは10日以降にかありませんが、スイングバイは、まあ、かなり確立された技術ですき、心配は要らんと思います。
それよりもかなりドキドキするのが、金星探査機「あかつき」。
こないだ、2015年9月11日のにっこりに詳しゅうに書きました。JAXAの金星探査機「あかつき」。
2010年に打ち上げられ、その年の12月に金星周回軌道に入って探査を始める予定であった「あかつき」。しかしメインエンジンのトラブルで周回軌道投入失敗。
そして。
もうダメか、と思われるトラブルを乗り越え、スタッフの懸命の努力で、今月12月7日、再び軌道投入に挑戦する、という訳だ。
しかし、9月11日のにも書いたように、メインエンジンはもう使えない。姿勢制御用の補助エンジンを使用しての軌道投入になるので、なかなか難易度は高い。その上、この8月30日には、太陽に一番近い「近日点」を通過しちゅうので、想定外の高温に晒されちょります。
果たして、無事、投入できるのか。これはもう、上手く行ったら奇跡に近い、と思えてくる再チャレンジの内容だ。
そんな訳で、その運命の12月7日が近づいて参りました。関係各位の努力に敬意を表し、心から、成功することを祈るばかりでございます。
それにしても12月7日。
最初に失敗したのが2010年12月7日。そして、失敗から這い上がってきて、再びチャレンジするのが2015年12月7日。あかつきの運行具合で、投入の日程は調整できるようですので、この12月7日再チャレンジといのは、もう、プロジェクトスタッフの思い以外の何物でもないような気がします。あの悔しさを忘れない、必ず成功させる、という強い意志の表れだと。
いや、宇宙は、本当に面白い。