神社県、高知〔4588〕2015/11/07
2015年11月7日(土)小雨
雨の朝。いつもの野市、上岡八幡宮さんで、拝殿の横から、本殿、そして上岡山の方を見上げてみました。
拝殿脇に石段。その石段を上がっていった所に、正方形の石の祭壇。弘化年間に据え付けられたもの。その祭壇は、山の方に向いております。
このつくりから、この八幡様の信仰は、この山に対する信仰でもあったことが判ります。つまり、山自体が、神様。そうでなければ、本殿の横に、このような山に向かった祭壇はつくられなかったのではないか、と想像する訳です。
以前、何度も書きましたが、日本では、神社などの宗教的空間は、集落の周縁部、大自然との境目のような場所につくられることが多い。
台地のエッジ部分とか、海にせり出した所とか。ここ、上岡山も、台地の先っぽ。台地の下から台地へ上り、そして山へ上がっていくように参道がしつられられちょります。日本人の、大自然への関わり方がよく判るつくり。
これは、街の真ん中に教会が配置され、そこに広場があって、そこから街が放射状に広がっていく西洋の街のつくりと鮮やかな対称を示しちょります。
ところで。
昨日、色んな全国ランキングで、高知県が1位のものや47位のものをご紹介しました。で、興味深い、全国No.1の数値が、もう一つありました。神社の数。
人口10万人あたりの神社の数は、高知県、285.12社で、これもダントツの全国1位なんでありますね。2位の福井県が212.62社ですき、もう、ぶっち切り。確かに、あちらに行ってもこちらを向いても、たくさんのお宮さんが鎮座しちょります。高知は、全国一の神社県であったのであります。ちなみに全国平均は63.78社ですき、いかに高知が多いのか、よくわかります。
では、お寺さんの数は。
これは、人口10万人あたり49.09寺で、全国第33位。だいぶ下の方。全国平均が60.75寺なので、少ない方ではあります。お寺さんが一番多いのは、滋賀県。人口10万人あたり228.97寺。なるほど。
これは、高知では廃仏毀釈の運動が明治初期に盛んであった、という理由も考えられます。
そこで調べてみました。と、言うか、神社の数とお寺さんの数を、足してみました。朝っぱらから一生懸命。
そうしますと、なかなか面白い結果。
人口10万人あたりの寺社の数。全国第1位は、福井県。424.01寺社。これはもう、ダントツに多い。第1位が富山県で、358.54寺社。第3位が島根県で347.35寺社で、第4位に高知県。334.21寺社。なるほど。滋賀県は、お寺さんが多くても神社が少ないので、第5位になっちょります。
こうやって見ると、北陸には、神社もお寺さんも両方多い、ということがわかります。新潟県も7位に入っちょりますきんね。
逆に、寺社が少ないのは。
一番少ないのは、もちろん沖縄県。これはもう、当然っちゃあ当然。宗教文化が違いますきんね。
で、2番目に少ないのは東京都。神奈川県、大阪府、と続く。これは、人口あたりの寺社の数なので、近代になって人口が膨張した都府県では少なくなるのでありましょう。
鹿児島県が39位、宮崎県が40位、というのは、ちょっと意外。宮崎県は神話のふるさとなので、もっと多いようなイメージがありました。お隣の大分県は全国8位なので、お隣でも、こんなに文化が違うんだ。
ともあれ、高知県には、神社が多いことがわかりました。寺社は、地域の紐帯。昔から、地域のコミュニティの中心は、その地域の宗教的施設にありました。
今、各地のお宮さんで秋の大祭などが行われ、奉納相撲やら神楽やら、農村芝居やらが奉納されております。今朝の高新には、一昨日、伊野の八代の舞台で農村歌舞伎が奉納された記事もありました。こういうものがたくさんたくさん残る高知。ちょっと、すごい県かもしれない。