参道のど真ん中のステージ〔4577〕2015/10/27
2015年10月27日(火)晴れ!
少しだけ雲が出ちょりますが、良いお天気。昨日は、日本の財界のトップの皆さんが来高しちょりまして、会議、意見交換会、懇親会とこなしました。色々と貴重な話ができた1日でした。
さて。
こないだ、京都〜琵琶湖19kmランを敢行した際、逢坂を越えて大津へと下って行きよりましたら、素敵な神社がありました。道路脇に鳥居。鳥居をくぐると京阪電車の踏切で、それを抜けると境内。広くはないが、由緒ありまくりそうな神社。関蝉丸神社、と書かれちょりました。なるほど。
逢坂の関と言えば、蝉丸さんか。
これやこの 行くも帰るも別れては
知るも知らぬも 逢坂の関
元々、そこでは豊玉姫命をお祀りし、京と琵琶湖を結ぶ交通の要衝を守る神様やったにかありません。その逢坂の関界隈に、平安中期、醍醐天皇の第四皇子のも言われる琵琶の名手、蝉丸法師が住みついたと言われます。蝉丸没後、そのお宮さんに合祀され、歌舞音曲の神様として尊崇されるようになった、という説明文。なるほど。
能の「蝉丸」は、なかなか不思議な物語構成で、印象深い作品でございますよね。
その関蝉丸神社さん、拝殿の前に舞殿がありました。まいどの。舞殿にしては小さい、と思いよりましたら、帰ってきてネットで調べてみたら、拝殿でした。つまり、拝殿と思うて拝んだ社が本殿で、舞殿と思うちょった社が拝殿であった、という訳だ。
何故、舞殿と思うたか。
例えば、京都の八坂神社さんとかへ行くと、本殿と拝殿はひとつの建物になっちょって、その正面、参道の真ん中に舞殿がある。それと同じ様式やと思うやないですか。しかし、関蝉丸神社さんの公式ホームページを見てみると、その建物が「拝殿」となっちゅうがです。なかなか難しいですな、こりゃ。
しかし、間違いなく、その造りからして、そこで舞いを行い、神様に奉納する場所でもあります。これはもう、間違いない。本殿の正面、参道のど真ん中に、舞いや神楽を神様に奉納する建物がある、というのは合理的。そんな造りのお宮さん、あちこちにありますきんね。
ここは、野市(香南市)の立山神社さん。以前、一度ご紹介した、三代実録に記載されるという古い古いお宮さん。参道入り口には、秋の大祭に向けての幟が立てられちょりました。11月1日が秋の大祭で、そこで行われる「棒術獅子舞」が、香南市の無形民俗文化財に指定されちゅうとのこと。
写真は、拝殿(これはもう、間違いなく拝殿)から参道の方向を撮影したもの。向こうに境内入り口の鳥居、そして両脇に幟旗。
ご覧の通り、参道のど真ん中に土俵。これは舞殿ではなくて、どう見ても土俵に見えます。土俵とばっかし思いよりました。
が、色々と考え合わせると、もちろん土俵としても利用され、神様の正面で相撲が奉納されたりもしたでしょうが、ステージでもある、と思い至りました。そうだ、ステージだ。
11月1日に観てみんとわかりませんが、たぶん、その棒術獅子舞のクライマックスは、この上で舞われるんではないでしょうかね。神様に向けてのステージ。
相撲にも、舞いにも使える、便利なステージ。
それにしても、拝殿の正面、参道のど真ん中に、こんな感じでしつらえられちゅうのは、割合に珍しいのかも知れない。
関蝉丸神社さんの境内を見て、立山神社さんを思い出し、撮影してきました。