月の海と玄武岩〔4559〕2015/10/09
2015年10月9日(金)晴れ!
秋晴れ。今朝は高知。昨日の夜遅い汽車で帰ってきました。
昨日、岡山方面へ向かう汽車が山中で障害物に接触して停車した、てな話を書きました。なんと。帰りの汽車でも同じようなことが起こったのであります。
岡山発高知行きの特急南風。車内で寝ておりましたら、高い警笛音が響いて、またまた山中で停車。どうやら、琴平から阿波池田に向かう途中、秘境の駅、坪尻界隈にかあらん。
車内アナウンス。
「当列車が鹿と接触しました為、安全確認を行っております。発車までしばらくお待ちください。」
そうか。鹿か。しばらくして再びアナウンス。
「当列車は鹿を刎ねましたが、安全確認が終了しましたので、間も無く発車します。」
そうか。刎ねたのか・・・
往復で、こんなことがあるのも珍しい。貴重な汽車の旅となりました。
さて。
写真は今朝の東の空。月齢25くらいの、細っていくお月様。そしてその傍らには金星。この写真には写っちょりませんが、この下には火星、そして木星と並んで、なかなかに美しい空になっちょります。夜明け前、5時前の東の空。
コンパクトデジカメをズームにして撮影しました。今のコンパクトデジカメ恐るべし。普通に、オートで、こんなにはっきりくっきり撮れるんでありますね。お月様をよくみると、明るいクレッセントの部分の上側には、太陽に照らされてない暗い部分もはっきり見えるではないか。しかも模様まで。古代の人々も、ここまで見えちょったら月の満ち欠けの理由や天体について、真相に近づいておったのではないか。そんなことを考えてしまうほど、明瞭な画像。
月の、あの黒い部分は「海」と呼ばれます。こないだも書いたように、アロポ11号が着陸したがは「静かの海」でしたよね。我々世代で知らない人は、居ません。
地球では、陸のプレートは軽い花崗岩質で形成され、海のプレートは思い玄武岩質でできちゅう、という話は以前も書きました。月の「海」も、玄武岩質なんですね。なるほど。地球とおんなじだ。玄武岩質なので、黒うに見える訳だ。
もちろん月にはプレート運動は、ない。何故、黒い玄武岩質の地表があるのか。
月の表面には、地球と同じように地殻というものがある。平均すると厚さ60kmくらいにかありませんが、表側、つまり地球に向いちゅう方が薄くて、裏側が、厚い。これは、地球の引力に対して手前が重い方が安定するので、軽い地殻が少ない、という理屈だそうだ。
地球に、火星くらいの大きさの惑星が衝突し、その星に地球のマントルなどがくっついてできたのが、月。で、できた頃のお月様はマグマオーシャン。ドロドロのマグマに覆われておったのであります。そのマグマオーシャンが冷えて固まり、地殻ができた。その直後に、巨大隕石が衝突。
表側の、薄い地殻に巨大隕石が衝突すると、地殻が破れ、その下のマグマが地表に吹き出す。そして、それが固まると、黒くて重い玄武岩になる。それが、現在でも黒く見え、「海」と呼ばれるようになった、ということにかありません。
整理しましょう。
月のうさぎさんは、地球の引力の関係で薄うなった地殻に巨大隕石が衝突し、地殻が破れてマグマが吹き出した痕跡。
その痕跡は、満月でなくても、半月でも三日月でも、コンパクトデジカメで撮影することができる。今は、そんな世の中。
「今日の地学」を終わります。