化石ができる時間〔4537〕2015/09/17
2015年9月17日(木)雨
よく降ります。昨日の午後の飛行機で高知へモンて来ました。秋雨前線とやらで、全国的にお天気が悪い。普段、雲が多い場合、飛行機は雲の上を飛びます。なので、雲の上では青空なんですが、昨日乗った飛行機では、ずうっと雲の中。つまり、雲がかなり高い高度まで覆っておったということでしょう。気象には疎いので、よくわかりませんが。
気象には疎いですが、最近は地学に興味津々なのはご承知の通り。で、このところ、地学に関係するニュースが2つありました。
1つは、タイで、今年最大とされる直径4mの隕石が落下した、というもの。閃光を放ちながら火の玉が落下した、ということで、映像も撮影されちょります。直径4mだと、重さは66tと推計されるそうだ。そんなのがそのまま落ちてきたら大変だが、空気の摩擦で高温に燃え上がり、バラバラになって落下したということ。
巨大隕石と言うと、KT境界を形成した、6500万年前の隕石衝突を思い出します。見た訳ではありませんが。恐竜が絶滅した、とされるやつですな。直径10kmの隕石で、300mの津波が発生したと推定されますき、凄まじい。これが、白亜紀末の大量絶滅を引き起こした、というのが現在の定説ですが、プルームテクトニクスによる超巨大火山の長期間にわたる超巨大噴火が大量絶滅の原因、というマイナーな説もあることを、こないだも書きました。う〜ん、地学は面白い。
で、2つ目のニュースは、名古屋大学の研究グループが、2千万年前に海底で死んだツノガイの化石は、数週間で形成された化石である、という論文を発表した、というもの。つまり。
化石というものは、数十万年〜数百万年かかって出来上がる、という常識が覆されるかも知れない、というニュースだ。
ツノガイの化石は「ノジュール」という炭酸カルシウムの球に覆われて、発掘されました。そのノジュールは、ツノガイの死骸から出る酸が、海底堆積物のカルシウムと反応してできるもの。ノジュールに包まれると、タイムカプセルのように、元の状態がかなり正確に保存された化石になる、ということですな。
で、このノジュールができるスピードが、こじゃんと速いケースがあり、その場合、数週間で化石になてしまう、という論理。
海底で死んだ首長竜とかも、ノジュールに閉じ込められた化石で発見されることが多く、つまりそれもかなりの短期間で化石になったかも知れない、という話だ。
まあ、素人が考えても、数週間で炭酸カルシウムの球に包まれた貝を「化石」と呼んで良いのかどうかは微妙なところ。
まあ、化石と呼ぶかどうかは別として、このメカニズムは色んな分野に応用できそうだ、ということで期待されちゅうにかありません。
写真は、今朝の上岡八幡宮さん。いつもの、野市。
拝殿へ上がっていく石段。雨に濡れる石段。これは、直方体に切り出した石を積み重ねてつくられた石段。その石には、「文化十四年 奉寄進」という文字が見えますきに、1817年に御寄進され、つくられた石段。もう、出来上がってから200年近くが経過する石段。夥しい人々の足が、長い年月踏みしめてきた石段。しかし、全然磨耗することもなく、積まれた往時の姿をそのままに見せてくれる。200年という歳月、磨耗せずに踏まれてきた、ということは、砂岩泥岩のような脆い石ではないのか。チャートのような、それこそ生物化石でできた硬い石かも知れない。
化石。
地質学的な時間軸で見ることが多い「化石」が、数週間という、それこそ「一瞬」でできる、という話を聞くと、なんか、不思議な感覚に襲われてしまう。う〜ん、地学は面白い。