素敵な雨の花見、雪ヶ峰〔4365〕2015/03/29
2015年3月29日(日)小雨
今日は雪ヶ峰。香美市、工科大学の、物部川の対岸に位置する山。この山一帯が、広大な雪ヶ峰牧場。主としてジャージー種の乳牛を放牧飼育しておられます。
雪ヶ峰の上からは香長平野が一望できます。以前にも書きましたが、市街地のこんな近くに、こんな広大な牧場がある、というのは、もう、奇跡でありましょう。
で、毎年この時期、恒例のお花見があります。高知県宇宙利用推進研究会、通称「てんくろうの会」のお花見。この牧場は、野外でバーベキューのようなものができるようになっちょります。その場所には桜はありませんがそれはそれ。
牧場へ上がって行く道路脇には、咲き始めたたくさんの桜。桜のトンネルの中を上がってきます。
で、今日は雨。しかし全然大丈夫。結構な人数でも対応できる小屋がありまして、その中で飲めます。食べれます。肉が焼けます。
この恒例の花見に使われるお肉は、牛の「ラムイチ」という部位。ブロック状のラムイチを、アルミホイルで包んで蒸すようにゆっくり焼く。すると、肉汁が肉の内部に凝縮された状態で火が通ります。それを、串に刺して少しだけ焼いて、食べる。もう、絶品。これぞ、お肉の味、という訳で、これを食べたら霜降り肉なんぞ食べれんなる、という代物なんですね。いや、おいしい。
あと、今日は猪肉。ご覧の骨は、猪のリブ。雪ヶ峰で捕獲された猪は、いいものばかり食べて育っているので、全然臭みがなく、本当に、おいしい。ああ。羨ましいですか?
高知県宇宙利用研究会には、酒蔵さんも何社か入っております。土佐宇宙酒をつくったメンバー。なので、このお花見には、おいし地酒もたくさん供され、これもおいしい。山田の松尾酒造の酔うたんぼ社長さんと、赤野の有光酒造さんの髭の社長さん、ありがとうございます!
花は見えなくても、雨で屋内になっても、まったく関係なくお花見は進行してゆくのでありました。
この雪ヶ峰は、物部川によって形成された扇状地の扇頂部。四国山地から流れ出てきた部分。洪積世、海面が上昇した時代に扇状地が形成され、砂礫層となり、現在の長岡台地や野市の台地をつくりました。その洪積台地を物部川が侵食し、山田の南、後免の東の沖積平野をつくった、という訳だ。
この雪ヶ峰、物部川の、平野部への出口。戦略上の重要拠点やったでしょう。で、戦国期には、山田氏の重臣、山田監物が城主となって守りを固めておった、と言います。山田城の出城のような役割。しかし、天文18年(1549年)、長宗我部国親軍の猛将、江村小備後に攻められ、山田監物は討ち死にした、と言います。
そんな山も、今は、ジャージー種の乳牛がのんびりと草を食む、うつくしい牧場になりました。
ああ。良いお花見です。