山の神原生林、先人の思い〔4309〕2015/02/01
2015年2月1日(日)快晴!
良いお天気。素晴らしい日曜日。それにしても、今日から2月。もう、2月。こないだ新年になったばっかしやのに、もう、2月になってしまいました。時間の流れはどんどんと加速していく今日この頃ですな。
今日の午前中は、久々に北山RUN、16km。中秦泉寺から金谷川沿いの道を北上していきますと、立派な家のところで山道に。
山道の入り口の所には「通行止」の立て札。
そう。以前にもご紹介しましたが、昨年の夏の大雨で山道が崩れたりして、通れんなっちゅうがです。その状況は、以前にも確認しました。一番酷い場所は、谷川が土石流になった場所で、5m以上、道が崩落。谷で、斜面も急なので、迂回路も取れない状況。
その道は、三谷の集落への往還。三谷観音さんの三十三ヶ所霊場の石仏が並ぶ道。車道が無い時代は、三谷や北山の向こう側との重要な道で、毎日たくさんの人々が歩いていたであろう、道。しかし、車道ができて、ほとんどの人はそちらを通るので、今は生活としては、通れいでも困ることはない、ということで、昨年夏の崩落以後、修復されるこもとなく、今に至っちゅうのであります。
良い道で、信仰の道でもあるので、修復をお願いしたいところです。
崩落現場では、三十三霊場の十二番石仏の台座だけが無残に残り、石仏は土砂に流されてしまいました。この修復も急がれます。
今日は、その、どうしても通れない崩落現場のかなり手前から金谷川沿いに進み、崩落した谷川を越え、かなり急な山の斜面を藪漕ぎして、崩落現場の向こう側の山道へと出ました。こじゃんと、シビアな、スリルのあるルートでした。
そこ以外の個所でも、かなり土砂が流入したりして荒れた道になったまんま。
さて。三谷の集落へ出て、どんどんと登ると、三谷観音さん。お参りを済ませ、その右手の斜面から山道を駆け上がっていきますと、山姥様。やまんばさま。絶妙のバランスで転がらずに鎮座する巨岩の岩陰。古くから、高知の広いエリアからの信仰を集めちょった山姥様は、今は、お参りする人もなく、静かにたたずんでおりました。
そこを右手にとって進んでいくと、この写真の場所。三谷原生林。山の神原生林とも呼ばれる、不思議な森。
この森の下には三谷の集落があります。
昔、三谷にはたくさんの人々が暮らし、北山の樹々は、重要な資源。北山は、ほとんどが、人の手が入った山。なのに、この森だけは、手付かずの原生林として残っちゅうのであります。森の真ん中には「山の神」様が祀られて。
これは、涵養林としての役割と、何よりも山崩れを防ぐ目的があったようです。この森に手を付けてはならない。手を付けたら、山崩れが集落を飲み込んでしまう。
実は、この近くに大規模な崩落があったと思われる抉れがあるがですね。そこは、容赦なく伐採された斜面があったがでしょう。
先人の思い、知恵。
いかがでしょうか。この森で一番目立つのは、イスノキ。この、ニョキニョキした巨木がイスノキ。右下隅に小生が写っちゅうので、樹木の巨大さがわかると思います。あと、スダジイの巨木もたくさんあり、昔は、三谷や秦泉寺の子供達がドングリを拾いにやって来ておったとも言います。
大切に守っていきたい、山の神原生林。しかし、周囲の山が荒れ、竹藪も広がり、危険が迫っています。キチンと守っていかんと、先人の知恵が無になってしまいます。
今日は、ここから廃道を登ろうとしましたが、あまりの藪の濃密さ、深さに断念。谷筋は木がなく、日が差すので藪が凄いのであります。これは、鉈でもないと無理。
引き返し、旧北山道を一気に駆け上がり、北山スカイラインをゴルフ場の所まで走って、小坂峠から車道を駆け下りて帰ってきました。
山道あり、原生林あり、藪漕ぎあり、山の道路あり、と、贅沢な北山の日曜日午前中。