松江、美しい雨の朝〔4100〕2014/07/07
2014年7月7日(月)雨
かなりガイな台風が来よりますね。高知へは水曜か木曜くらいでしょうか。被害が無い事を祈ります。
今朝は松江。島根県の松江。歴史のある、そして趣きのある、良い街です。昨日、南風とやくもを乗り継いでやって来ました。今朝一番での仕事に間に合うように。昨日は松江に着いてから松江城の天守閣へ。高知城と同じく、藩政期の姿がそのまま現存する天守閣は、上ってみると意外と大きい。何でも、現存天守では、姫路城に次いで大きいがやそうです。で、戦前に一旦国宝になるも、戦後、重要文化財に格下げになったという高知城と同じ歴史を辿りますが、現在、国宝復帰の運動が行われゆうにかありません。なるほど。
松江城と言えばお堀。堀川の遊覧船は、夕方で雨にも関わらず大勢の観光客さんを乗せてお堀を心地良さそうに走りよりました。羨ましい。どっかの都市では、せっかく残った外堀を暗渠にしゆうと言うのに。
で、せっかくなので、お城の横の松江歴史館という施設に寄ってみました。松江の歴史がよくわかる、なかなか秀逸な展示。その中に、床をガラス張りにして、元来の地層などがわかるように展示しちゅう部分がありました。これこれ。
現在、高知県が、高知城の東に建設しょうとしゆう歴史館。あの場所は、建設に先立っての発掘調査で、中世の頃から、海が徐々に陸地になり、水路がつくられ、そして城下町になっていく、そのすべての経緯がわかる遺構があることがわかっちょります。高知の城下町地盤形成の歴史そのもの。ホンモノ。
歴史館の使命は、歴史そのものをキチンと残し、伝えていくこと。お洒落げなレプリカをつくって展示することではありません。ホンモノを残し、伝えていくのが最も重要。
そんな意味で、あの、歴史館が建つまさにその地点の地下に、城下町の歴史を刻むこれ以上ない遺構が発見された訳で、これは、なんとか、歴史館の地下に保存展示してもらいたい。松江のは、単なる地層の展示。しかし高知のは違います。さあ、どうなるでしょうか。
そんな訳で、今朝はお城方面ではなく、宍道湖沿いに南下して夕陽スポット界隈をたつくってきました。8kmばかし。雨の中。
宍道湖は西に広がり、そこに沈む夕陽が美しい訳で、雨の朝はたいしたことないろうか、と思うてやって来ましたがなかなかどうして。宍道湖、お地蔵さん、松江の町並。そして雨。素晴らしい風景が広がっておりました。松江。良い街です。
松江城から南へ、大橋川を渡ると、白潟。そこはかつて河口の中洲で、古くから町家が形成されちょったと言います。藩政期、堀尾吉晴の城下町建設で、庶民の街と寺町が形成された白潟。そこから南へ川を渡った宍道湖沿い。そこが、有名な夕陽スポット。宍道湖に、美しい嫁ヶ島が浮かびます。元々は今より松の木は少なかったようですが、松江出身の若槻礼次郎さんが植えた、と、説明板にありました。
そして、袖師地蔵さん。
元々、宍道湖の岸はもっと東にありました。袖師ヶ浦。そこに、江戸初期に立てられた袖師地蔵さん。湖での水難者を供養するためのお地蔵さん。
向かって右手のお地蔵さんが袖師地蔵さん。左側は、江戸末期に立てられた石灰地蔵さん。元々、宍道湖のシジミから石灰(いしばい)をつくる場所にありましたが、明治の中頃に袖師地蔵さんの横に遷座。そして、昭和47年。埋め立てによってできたこの場所に、一緒に遷座されてきた、と説明板に書いちゃあります。
現在の袖師地蔵さんは、平成5年に建立された新しいお地蔵さん。
でですね、今朝のお目当ては、ここの南東。松江競馬場跡。
松江には、高知と同じく、軍馬改良目的で競馬場がつくられました。高知の桟橋競馬、山田競馬、後の長浜競馬と同じ、地方競馬規則に基づく競馬場。
昭和4年に開設。しかし、昭和12年、販売高下落による経営不振で廃止、とあります。高知の競馬場は、全然販売高不振に陥らず、草競馬も含めて隆盛したのは、ギャンブル好きの県民性なのでありましょうか。考えさせられます。
で、松江競馬場。廃止されてから77年が経過しますが、見事にその痕跡を留めているのであります。外周は、そっくりそのまま道路。楕円形の道路が残り、その中にも周囲にも家が建っております。しかし、見事に競馬場の形が今も残る痕跡。すごい。
競馬場の痕跡で有名なのは東京目黒の元競馬場ですが、松江のは、その痕跡の残り方で圧倒しちょります。同じ時期の高知の競馬場は、山田競馬も、長浜競馬も、ほとんど痕跡がわからんなっちょります。若宮八幡宮さんに沿う道路くらいでしょうか。
高知競馬では、以前にもご紹介した、南高校運動場西側の道路に、競馬場のカーブの痕跡が見事に残ります。
その南高校も、廃校になってしまうかも知れない、という議論が行われております。
桟橋の高知競馬は、戦前の桟橋競馬の痕跡。南高校は、高知競馬の痕跡。その南高校も、痕跡になってしまうのでありましょうか。