地方の頑張り〔3990〕2014/03/19
2014年3月19日(水)
今、盛岡へ向かいよります。そう。岩手県の盛岡。今朝、一便の飛行機で東京へ飛び、東北新幹線で。こまちの車内で、このにっこりを書きゆうところです。岩手県、もちろんお仕事です。
岩手県の岩泉町に、岩泉乳業さんという同業がいらっしゃいまして、なかなか面白いヨーグルトを作り、なかなか面白い商売をしてらっしゃいます。そこへ、盛岡駅前からレンタカーを運転して、行きます。
もちろん厚手のコートを着てきました。高知はもう桜が開花し、コートを着いちょったら、ちょっと、変わりモン。それっぱあの気温ですが、今から行く岩泉町の明日の予想最低気温は氷点下ですきんね〜。日本は広い。
東京から盛岡まで。新幹線で、2時間13分。こないだ、九州新幹線のことを書きましたが、この東北新幹線ができたときの衝撃もすごかったでしょうね。容易に想像できます。昔の、特急はくつるの所要時間を見てみました。18:30に上野を発車して、盛岡に到着するのは翌朝2:35。青森には6:10。
上野盛岡間が8時間ちょっとで、上野から青森までは11時間40分。
8時間と申しますと、もう、大旅行。
その昔、明治の頃は、どれっぱあかかりよったのか。明治39年では、上野駅を11:45に出て、青森駅到着が翌朝7時なので、何時間だ?え〜と、19時間15分か。それが、戦後には12時間。そして今、新幹線に乗れば3時間20分かからない。陸地を移動してですきんね。
だいたいからして、今日の2時間13分が、昔は8時間やった訳で、想像を絶します。そんな距離を走って2時間ちょっと。今、気付いたのでありますが、岡山高知よりもずっと速いではないか。
つまり、東京盛岡間は、岡山高知間よりも時間距離が短い、という訳だ。なるほど。
岩手県を訪れるのは、いつ以来でしょうか。学生の頃、一度、そして仕事を始めてから、一度くらいしか行ったことない岩手県。もちろん、東日本大震災以降、初めて。
東北地方は、やはり仙台への集中が進み、他の地方都市はなかなか大変のようです。交通網が整備される、とは、そういうこと。なので、一概に、便利になったから街が発展する、とは言えません。これは歴史が証明しちょります。
例えば大阪。
東海道新幹線ができ、東名、名神高速道路ができるまでは、東京と大阪の格差は、今の様なものではありませんでした。大阪は、日本の経済の、大きな中心の一つでした。東京と並ぶ。有名な話ですが、新幹線や高速道路ができた事により、いわゆるストロー現象というやつでその活力が東京に吸いやられ、東京一極集中の日本が始まった、という説。
ちょっと話は逸れますが、情報化が進み、各地を結ぶ時間距離が短くなり、その当然の帰結として大都市への集中が進む。色んな資本も、大企業に集中し、小売業も巨大なものが全国へ広がっていく。すると、地方の街や企業が成り立たなくなり、益々、一極集中が加速する、地方の街は衰退し、中山間にはヒトが住まなくなり、一次産業の担い手は居なくなる。
そんな日本にしない為、小さくても、地方でも、特徴を活かして頑張ることの需要さが増しています。
今日、お邪魔する岩泉乳業さんは、そんなことを考えさせてくれる会社です。
龍泉洞があるという、盛岡からでも車で何時間も走らんといかん場所にある、岩泉。そこの乳業メーカーさんが、一生懸命知恵を絞って特徴あるヨーグルトを作り、他社が目をつけない売り方で販路をどんどん拡大されております。そう。小さくても、知恵を絞り、真似のできない商品やサービス、仕組みを作り上げれば成功する、という事例ですね。
今、日本は、その政策もあって、一気に大都市集中、大企業集中が進もうとしています。が、幸せな世の中をつくるには、国土の隅々で育まれて来た文化や風土、産業が、一極集中の流れの中で押し流されてしまわないことが不可欠。と、信じます。
極論しましょう。
日本の幸せは、地域や、小さな街、小さな企業、小さなコミュニティの再生にかかっています。