四国山地の雲海〔3850〕2013/10/30
2013年10月30日(水)快晴
う〜ん、キレイぜよ。
ここは高知県大豊町。愛媛との県境近く。現在、高知自動車道が通る、高知県大豊町立川から愛媛県新宮村へと抜ける道の、下道。というか上道。高速のとっと上の旧道ですき。高知自動車道大豊インターチェンジのところから立川川沿いに真っすぐ北上する県道5号線。高速道路の下をくねくねと上って行き、高速の笹ヶ峰トンネル入り口の横から、どんどんどんどん上って行く道。そして、笹ヶ峰隧道で、県境をまたぎます。
この県道5号線は、県境を跨いでも県道5号線。つまりですな、高知県側は高知県の県道5号線で、愛媛県側は愛媛県の県道5号線ということにかありません。わざわざそういうことにしたがでしょうね。長崎県と佐賀県を結ぶ県道1号線とか、そんな例もあるにかありません。
この県道の、笹ヶ峰隧道の高知県側入り口脇に、記念碑が立ちます。「関連林道 川之江大豊線完成記念」と刻まれた記念碑。その周辺の樹々が伐りはらわれて、スッキリしちょったので、近寄って、台座に刻まれた碑文を読んでみました。
ちょっと長いですけんど、転載してみましょう!
この林道は国有林が民有林に対する協力事業として生れた関連林道で、高知営林局が森林開発公団に事業を委託して2億8阡万円を投じ5ヶ年の星霜と幾多の困難を克服して全長10257米を開設したものである。本路線四国横断の最短距離で古代より土予を結ぶ官道が通じ藩政時代には参勤交代の本街道となり両県の重要幹線として利用されててきたが、当林道の開通により森林資源の開発のみならず産業経済交通文化の発展に寄与するところ大なるものがある。林道開設には井原衆議院議員、山崎参議院議員両先生の格段の御尽力と高知営林局並に本山西条両営林署の深い御理解をたまわり、工事の実行は竹内建設井原建設藤岡組一若建設の各社が技術のすいをつくしてこれに当り、更に関係者各位の献身的な協力によって竣工をみるに至った。誠に感激に堪えない所である。
ここに本林道の開通を記念し国有林の地域開発に対する御配慮と関係者各位の御協力に対し深甚なる謝意を表し、この碑を建立するものである。
昭和42年3月
川之江大豊林道期成同盟会 川之江市長 川崎喜三郎
大豊町長 西岡次郎
新宮村長 藤田保
とまあ、こんな感じ。昭和42年に、期待を担うて建設された林道。その後県道になったがでしょうか。昔の街道ルートをまっすぐ通る道路は、県境の交通や産業に寄与したがでしょうか。文章の雰囲気が、政治家や役所に対するヨイショに溢れ、時代を感じさせてくれます。実に。
今は、高速道路であっという間に大豊新宮がつながり、林業が圧倒的に衰退するなか、ほとんど通る車もない県道5号線。
しかし、大自然溢れる県道で、時間があるときは、こうやって通りとうなります。
この写真。高知自動車道が通る、立川川の谷間に雲海。なんという美しさでしょうか。この風景を見れただけでも、早朝、わざわざこのルートを通っただけのことはありました。