川原神社、天狗塚、御在所山、秋葉山〔3841〕2013/10/21
2013年10月21日(月)秋晴れ
秋晴れの良いお天気になりました。青い空は澄みわたり、再生稲の上に鳥の声が響く朝。
こないだうち、南国市と香美市の境界にある、津野神社さんや神奈地祇神社さんをご紹介しました。あの界隈、物部川沿いに広がる平野で、遠くの山まで見晴らせます。そして、その見通しの良い平野には、所々に、こんもりと茂った森。
そんな森が何ヶ所もありますが、そこには、必ず、神社やお寺さんが鎮座ましましちゅうがはご承知の通り。
昔から、地域の皆様に尊崇されてきたお宮さん、お寺さん、大明神などは、周囲がどんなに開発されて行っても、それを取り囲む森と一緒に残されるケースが多い訳です。
神奈地祇神社さんの南東には津野神社さん。そっから南東には福田八幡宮さん。更に南東へ行くと、ここ、川原神社さん。鎮守の森が、並びます。
ここ川原神社さんが鎮座するのは南国市福船。明治17年に福船村になりましたが、それ以前は福田村。明治維新までは、この川原神社も川原大明神と呼ばれておったようです。
かつて、このしゅっと東を物部川が流れ、対岸の野市、深渕との間に渡し船が運行。そして福田村の中を、東西を結ぶ往還が通っちょりました。現在の国道55号線の役割を果たしちょった往還。
その往還近くに、この川原神社は鎮座しちょった訳です。物部川の川原なので川原神社。
さて。こないだの10月12日、三嶺山系に屹立する山々をたつくりに行っちょりました。旧物部村の光石登山口から、綱附森の方へ登り、地蔵の頭、天狗塚、牛の背という素晴らしいルート。その天狗塚は、標高1812mの、先の尖った美しい山でした。
同級生で山に詳しいタベシマ君によりますれば、その天狗塚、四国山地の主脈のなかで高知の平野から見える数少ない山のひとつやそうです。
と、言うことは、こっから見えゆうががそうかも知れん。
鳥居の、左側の脚のちょっと右。乳房の型地をした御在所山が見えます。独特の形状なので、御在所山はしゅっとわかります。その右。
う〜ん、写真にしたら全然見えん。肉眼では、その御在所山の右手に、尖った山が霞んで見えます。方向や形状から言いまして、それが天狗塚かも知れません。なるほど。こっから見えるのか。
天狗塚の隣に地蔵の頭、そして地蔵菩薩。手前の御在所山は、標高1079m、平家の落人伝説に彩られ、安徳天皇、平教盛、大山祇神が祀られる信仰の山。
鳥居の右手、空に突き出すように尖った山は、三宝連山の主峰、秋葉山。標高395m。名前の通り、秋葉神社さんが祀られちょります。
こうやって、すこし眺めてみただけで、人々が信仰するお宮さんの森や山がいっぱい。改めて、日本人の、大自然とともにある信仰の心がわかってくるような気がします。それは、国家とか権威とか関係ない、大自然への畏れ、敬い、感謝などがこめられた信仰心。
原始的アニミズムと言う方もいらっしゃるでしょうが、人間が猿ではなくなった時に感じた思いをそのまま伝える心でもありましょう。
早朝の南国市福船。川原神社の美しい鳥居の前で、そんな感慨に浸る秋の朝。