潮江用水がサイフォンで吉野川をくぐり抜ける〔3467〕2012/10/12
2012年10月12日(金)晴れ!
昨日も夕方降りましたねえ。ガイに。秋まっ盛りという季節ですが、高知では、夕方になるとスコール。瀬戸内側とかでは全然降りやあせんそうですので、高知だっけ。熱帯になってきたがでしょうかね。今日も秋晴れですが、夕方には雲が出てくるのでありましょうか。
さて、昨日、山田の松尾サイフォンをご紹介しました。あのサイフォンの凄さは、その高低差と距離。200mを超える地点を結び、おそらく10m〜20mの高低差をもつサイフォン。山の斜面を駆け下り、道路と、その下の川の下を潜り抜けてもう一度山の斜面を駆け上がる。で、意外やったのは、水が湧き出しちゅう(湧き出すとしか表現できません)ところは実に静か。水の音はまったくしません。静かに、音も無く、豊かな水がどんどんと湧いて出てくる、そんな感じ。不思議な景色です。
あれほどの規模でなければ、結構、農業用水とかにサイフォン原理は使われちゅうにかありません。意外と身近なところで発見できるかも知れません。
ここは、以前に一度ご紹介したことのある、潮江用水が吉野川をくぐり抜ける現場。これもたぶんサイフォンでしょう。そうやないと、理屈に合いませんきに。
その向こうにコンクリートの壁が見えます。その向こうが吉野川。覗き込んでみると、川面は、とっと下に見えます。鷲尾山と烏帽子山の間から流れ込んでくる吉野川は、このもうちょっと下流で神田川に流れ込みます。汽水。
この潮江用水は、以前に潮江雪太郎さんにご案内して頂きました。もうちょっと西の神田川に取水口があります。そこにはエアー式の堰があって、塩水が遡って来んようになっちょります。そしてポンプアップして、神田川や吉野川よりはかなり高いところを豊かに流れていきます。
神田川から筆山の南を通って潮江へ流れるとすると、ここで吉野川をまたいで通らんといけません。そこでサイフォンが利用されることになったがでしょう。何故、ここ吉野川から用水を取水せんかったのか。それは、水量が全然足らんきでしょうね。
その、吉野川の堤防から見てみると、川の向こう側にも、柵で覆われた施設があるので、あそこから用水が下降、とっと下の川底の下をくぐって再び上昇、ここに湧き出してきゆう、という訳です。そして、松尾サイフォンと同じく、まったく音をたてず、静かに湧き出してくる潮江用水。
サイフォン式の灌漑用水は、江戸時代から知られ、構築されてきたようです。あちこちにあるようですね。明治以降、たくさんつくられたにかありません。そして、そのほとんどは、あまり知られることもなく、黙々と水を流し、地域の役にたってきたのであります。偶然発見した人が、何も無い所から音も無く湧き出してくる水に驚く、ということになりますが、よほど注意して見てみんと、気付きません。ここも、吉野川の護岸と川面の高さとこの用水の川面の高さに気付かんかったら、なんのことはない、普通の水路ですき。