この週末が見頃、父養寺のあじさい〔2975〕2011/06/08
2011年6月8日(水)小雨
今朝は梅雨らしい小雨。小雨が似合う、野市、父養寺のあじさい街道の様子を見に行っちょりました。
父養寺という地名の由来は、ビッシリ書いてきました。9世紀、貴族ではあっても貧しかった紀夏井さん、その誠実さと有能さ、人格が認められて出世しました。讃岐守に赴任した際には、その善政が住民に喜ばれ、平安期の行政官としても飛び抜けて評判の良かった人物。貞観8年(866年)の応天門の変に連座して土佐に流されることになった際には、その任地であった土地土地の人々が紀夏井さんに付き従い、悲しんだそうです。流されたとさでは野市に住み、そこでも地域住民に慕われまくりました。夏井さんは父母を大切にし、今も野市に「母代寺」「父養寺」という地名が残ります。
さて、その、土佐流人のなかでも最高の人物とされる紀夏井さんゆかりのここ父養寺では、毎年今の時期、地元の皆さんの手によって見事なあじさい畑が見れるのであります。この右手には、野中兼山さんが開削した上井川が豊かな水量で流れよります。たぶん、今週末が一番の見頃。たぶん、高知で一番の規模を誇るあじさい街道ですき、ぜひぜひ行ってみてください。そして、父養寺という地名と紀夏井さんと野中兼山さんに思いを馳せてみてください。
そうそう、以前にも書きましたが、ここ父養寺も、春野のあじさい街道も、そして四万十市安並の、水車で有名なあじさい街道も、全部、野中兼山さんが開削した水路沿いながです。400年近く経過してなお現役で活躍するインフラは、こんなことにも役に立っちゅう訳です。先人の努力が豊かさのみならず美しさ、楽しさも与えてくれちょります。