高知市、仁井田神社玉垣の教え〔2916〕2011/04/10
2011年4月10日(日)晴れ!
今日も日中はかなり暑うなりそうな高知市内。明日で、あの大地震大津波から1ヶ月が経過します。原発のこともあり、まだまだ厳しい状況が続きよります。復興に向けて、それぞれができることを粘り強く、しかありません。
そしてこれからの防災。ひまわり太郎は、高知県各所に残されちゅう先人の知恵、戒めを、現代の老若男女にもわかりやすい形にする、ということに取り組んでみます。どんなやり方があるのかわかりませんが、ちょっとづつ、粘り強くです。
ここは今朝の仁井田神社。高知市仁井田に鎮座まします仁井田神社は、窪川で新田を開発した小千氏が、その祖神を仁井田明神として窪川に祀っちょったがを、この地に勧請してきたもの。この神社は奉納相撲で有名で、土佐の各所で開催される奉納相撲に出場するには、まずは、仁井田神社の相撲に出場するがが条件やったそうです。「仁井田の相撲で待ったなし」という諺もあったとか。
この仁井田の地は海に面し、過去、津波の被害を被ってきました。西隣の種崎が、宝永の大津波で全戸流失で、仁井田もかなりの被害があったことは想像できます。この仁井田神社にも、安政地震の後の戒めがあります。この手前の玉垣。左右が対になった、小さい石橋状の玉垣は、地震3年後の安政4年にご寄進されたもの。
内容を読み下しますと、
嘉永7年10月末から潮が狂いだし、11月4日の朝、小規模津波がやってきた。翌日の5日午後4時過ぎに大地震発生。間もなく大津波がやってきた。
潮が狂い始めたら、絶対に油断したらいかん。
と、なっちょります。これによれば、こないだの大地震も数日前から小さい地震がありましたが、あの状況と似いちょったことがわかります。安政南海地震は、数日前から予兆の揺れによる小規模津波があり、前日の安政東海地震による巨大ではない津波(ここでは「すずなみ」と刻まれちょります)があって、そして南海地震と大津波がやってきた、ということになります。連動型の巨大地震の際は、予兆の揺れがある場合がある、ということを、この玉垣が教えてくれます。
その鳥居の向こうに巨大なクスノキが見えますでしょうか。樹齢は700年を遥かに超えるとされる古木。このクスノキは、1361年の正平南海地震津波、 1498年の明応地震、1605年の慶長南海地震津波、1707年の宝永南海地震大津波、1854年の安政南海地震津波、そして、たいしたことはなかった 1946年の昭和南海地震を見てきたクスノキ。ヒトが、何度も何度も、粘り強く立ち上がり、復興してきた様を見てきたクスノキ。