大自然の規則正しさ〔2895〕2011/03/20
2011年3月20日(日)曇ったり降ったり
今日は、高知県東部の田野へ来ちょります。ここの大野台地の上に、ご先祖様が眠りよります。藩政期後期のお墓も、そこには並んじゅうがですが、それこそ藩政期の頃には、海岸沿いの浜にあったらしいです。が、大水で流されたりして、この、とてつもなく見晴らしの良い高台に移ってきたとされております。その大水は、今までは台風と思い込んでおりましたが、ひょっとしたら津波やったかも知れません。田野町史を調べてみます。
手前が田野の町、向こうには、羽根岬が見えます。あの向こうに行当岬があり、そしてその向こうが室戸岬。典型的な海岸段丘として、有名な地形です。
その、海岸段丘形成の仕組みを解明したのが、土佐の生んだ物理学者にして詩人、寺田寅彦先生。あの段丘は、毎年、訳7mm づつ沈み込み、100年~150年に一度の南海地震で一気に1mくらい隆起する、というのを繰り返し、10万年で、あのような標高150m~300mの段丘ができあがって行った、ということ。まだ、プレートテクトニクスの仕組みが明らかになっていない時代に、これを考えた寺田先生は偉大です。
地震の営みは、確実に、絶え間なく繰り返されていきます。地球上の生き物は、人間も、その大自然の営みの中で、大自然と共存していく道を選びました。10万年のスパンで見ると、その規則性は正確極まりなく、ここ何百年かで見てしまうと、その規則性が見えなくなってしまう、ということです。正確に、あの段丘を形成してきた大自然を観察すれば、何が起きるのか、ということを正確に想定できるということになります。大切なのは、長いスパンで観察し、実証していくということ。行政の都合で、近いところしか見ない、というのは、やってはならないこと、ということがよく解ります。