宿毛へイッチキチモンチキチ〔2880〕2011/03/05
2011年3月5日(土)晴れ
今朝は宿毛。昨日の夕方の汽車でやってきました。とはいえ、今朝5:55宿毛発の汽車で高知へイニよりまして、その車内でこのにっこりを書きよります。宿毛へいっちきちもんちきち、です。
高知県西部は幡多(はた)と呼ばれ、土佐弁とはちょっと違うイントネーションの「幡多弁」をしゃべります。しかし、同じ幡多でも、場所によって、全然違うがやそうで、言葉を聞けば幡多のどこの出身かが判別できるらしいですね。高知者には難しいですけんど。で、宿毛弁の特徴を言い表したがが「イッチキチモンチキチ」。行ってきて戻ってきた、という意味ですが、この、「チキチ」の部分がミソでしょうか。
さて、昨夜は、宿毛の国民宿舎「椰子」というところで、おいしい刺身とクエ鍋をごちそうになって泊まっちょりました。ここのクエ鍋は絶品。クエという魚は、養殖と天然の違いがハッキリしちょって、天然の、コクがあるようでさっぱりしちゅう、そしてコリコリ歯ごたえのある風味はもう、何と申してよろしいやら。その、クエの出汁にヒラメの刺身をちょこちょこっとつけて、シャブシャブにして食べるがもうまかったです、こじゃんと。
この「椰子」からは、宿毛湾、鵜来島、沖の島まで見えるそうで、絶景ながですが、日暮れに着いてこのような状況の早朝に出発したので、ちくと残念でした。写真は、夜明け前、部屋から海側を撮影したもの。右下の直線に見える灯りは、漁船が湾を出て行きゆうところです。星が海に降ってきて、見事でした。
ところで宿毛という土地は、偉大な人物をこじゃんと輩出しちょります。このにっこりでも、早稲田大学建学の母、小野梓さんや、吉田茂さん、その実兄で小松製作所をつくったり早稲田大学理工学部を創設したりした竹内明太郎さん、北海道開拓の父と呼ばれた岩村通俊さんなど、たくさんご紹介してきちょります。で、今朝、宿毛の偉人というのを見よりましたら、名曲「平城山(ならやま)」の作詞者が、宿毛出身となっちょりました。これは初めて知りましたです。北見志保子さんという歌人で、なかなか波瀾万丈の人生を送った人物。平城山は、昔、音楽の授業で習いました。良い曲です。作曲は、これも高知県出身の平井康三郎さん。高知県人コンビで、あんな格調の高い歌がつくられちょったとは、意外です。しかしあの歌詞は、女の、恋に対する情熱と悲しさを歌うたものやそうで、さすが土佐の女性の書いた歌詞、という感じでもありますね。