稲生の建物、土佐石灰化工協業組合さん〔2592〕2010/05/21
2010年5月21日(金)晴れ!
雨上がりの朝。すべてが洗い流された感じで、朝日に街や田んぼや山や川が輝く様子に、美しい!と思われた方も多いのではないでしょうか。そんなキレイな朝でした。
ここは稲生の石灰通り。道路の両脇に石灰工場とかが建ち並ぶ、お馴染みの風景。ここは街も道路も石灰で白うなっちょります。典型的な、稲生らしい風景。その中央部近くに、ご覧の建物が立っちょります。この姿、こないだの井上石灰工業さんの素敵な社屋に妙に似いちょりますきに、同時期に建てられたがかも知れません。
今はどうやら土佐石灰化工協業組合さんの建物らしいですけんど、1階の正面部に、昔の所有者と思しき会社の屋号が。この稲生に所在する石灰関係企業さんは、それぞれ歴史が古いようで、キチンと昔ながらの屋号もお持ちのようです。
例えば田中石灰さんは山に田のヤマ田。井上石灰さんはカネ(正方形の上辺と右辺だけのかたち)に十のカネ十。そして入交石灰さんはカネにタのカネタ。藩政期から昭和初期にかけてつくられた会社は、お店のシンボルとして屋号を制定しちゅうがが多いようですな。
入交石灰さんの場合、藩政期に入交太三右衛門さんが郷士から商人になって桜屋を開業した際、「カネタ」を制定しちゅうようです。たぶん、ご自身の名前の「タ」に、真っ直ぐで正直を意味する「カネ」を組み合わせてつくったがやないでしょうかね。勝手な想像ですけんど。他の企業さんは、もう、メッソ昔ながらの屋号は使わんなっちょりますが、入交グループさんは、その夥しい数のグループ企業で、今でもカネタの屋号を積極的に使いよりますき、高知の皆さんにはお馴染みになっちょりますよね。
この稲生の石灰街を通ると、そんな訳で、あちこちで屋号を見ることができます。ちなみにこの建物の正面に掲げられちゅうのは「カネ」に「与」でした。