稲生の建物、ファブリダム〔2591〕2010/05/20
2010年5月20日(木)朝靄
昨日はよう降りましたな。今朝は雨はあがっちょって、気温がかなり高めやったので、辺り一面靄(もや)の中でした。これもこれで美しい朝の景色。
稲生の建物シリーズですが、きょうはこれ。右端に自転車の前輪が写っちょりますね。いや、特に、今までご紹介しゆうみたいな古い由緒ありげな建物ぢゃあ無いですが、通るたんびに妙に気になりよった建物をご紹介しましょう。小さな教会を思わせるような瀟洒なつくりのこの建物は、昨日の入交石灰工業さんの西側に隣接して建っちょります。入交さんちの建物かと思うて近寄ってみると、入り口横に銘板が。
下田川取水堰(ファブリダム)と書いちゃありました。なるほど。高知県の河川事務所が、この前に堰をつくっちょります。普通に見られるようなモンぢゃあ無く、ゴム製で、空気を入れて膨らますと堰になり、空気を抜くと堰が無いなって普通の川の流れになるというもの。ネットで調べたら「ゴム引布製起伏堰」というがが正しいそうです。ファブリダムという名称はこれを施工した住友電工さんの登録商標。
で、この前の下田川には、確かに空気式の堰があります。3月から8月までは、堰ができて、船舶の通行ができんなる、と、堤防に書いちゃありました。この建物は、そのファブリダムのコントロールセンターにかありません。この季節、昨日まではたしかに膨らまされた堰がありました。が、今朝は萎んじゅうではありませんか。たぶん、昨日の大雨で下田川の水量が増えたため、流れをスムーズにするために萎まされたと考えられます。
さて、この堰の用途やいかに。下田川のこの部分までは汽水域、浦戸湾の海水が上がってきます。ですきに、たぶんですけんど、田んぼをやりゆう時期に、この上流には海水が入っていかんように堰を膨らませるがやないでしょうかね。違うちょったらごめんなさい。
この建物、堰のコントロールルームということやったらまあ、洒落ちょりますな。屋根から突きだした煙突形のダクトかなにかが、エイ味出しちょります。屋根の角度や河原もおしゃれ。朝靄の稲生の風景に融け込んじょりました。