伊予灘の綱掛岩〔2346〕2009/09/17
2009年9月17日(木)素晴らしいお天気ぞな
ここは瀬戸内海。愛媛県。松山から海沿いに西へ、長浜を抜けて八幡浜に向かう途中で、あんまり海が美しいので撮影してみました。いつもの太平洋とはまた違う美しさの、のったりまったりした秋晴れの瀬戸内海。
この海は伊豫灘と呼ばれ、海岸線が北東から南西に延びちゅうので、海に沈む夕日がこぢゃんとキレイらしいがです。で、夕やけこやけロードという名前が付けられちょります。所々に漁村がある、静かな瀬戸内の景色。何とも言えませんな、こりゃ。
ここは、長浜からちょっと西へ行った海岸線。海に突き出た大きな岩のてっぺんに、祠が祀られちょります。
この岩、綱掛岩(つなかけいわ)と呼ばれゆうそうですね。道路脇に案内板が立っちょりました。それによりますれば、綱掛岩と呼ばれる由来は、なんと天平12年までさかのぼるそうです。こりゃあ古い。西暦740年ですきね。奈良時代のこと。
九州で、太宰府の少貳(次官)の藤原広嗣が反乱を起こしました。そこで朝廷は大野東人を大将軍に任命して反乱の鎮圧に取り組みます。当時の伊豫の国主は越智氏。当主の越智玉澄さんも船を率い、鎮圧に向かいました。伊豫灘は島の少ない広い海ですきに、海岸に近い所を航海し、佐田岬半島に沿うて九州を目指したでしょうか。で、途中大時化に遭い、この浜辺に避難して一時滞在したそうです。その際、船のとも綱をあの岩に掛けて繋いだ、ということで、綱掛岩ということになったそうであります。
今日は静かな海に漁船が一隻。左手の遙か向こうには佐田岬半島が霞んで見えよります。なんともかんとも美しい絵画のような光景。