羽根岬の海岸段丘とプレートテクトニクス〔2034〕2008/11/09
2008年11月9日(日)曇ったりちくと降ったり
てな訳で今日は高知。昨日、北海道から東京乗り継ぎでモンて来ました。向こうは雪が降る、寒いお天気やったですけんど高知は雨。空港バスを降りるクまで迎えに来てくれちょったJr.2号は半袖のポロシャツでした。ニッポンは広いですな、まこと。
今日は朝から高知県東部、田野町へ用事があって行っちょりました。ここには大野台地という山の上に畑の広がった地区があり、その台地から南東方面を撮影してみました。手前の町並みは田野の街で、向こうの岬は羽根岬。
あの岬を廻るとその向こうに行当(ぎょうとう)岬が、そしてその岬を廻るとその向こうに室戸岬が見えるのであります。どの岬も、この写真と同じようになだらかな傾斜をもつ、美しい岬。絵に描いたような「海岸段丘」。
この海岸段丘ができた理屈を考えたがが、土佐が生んだ偉大な物理学者にして詩人の寺田寅彦先生なのであります。今から80年近く前のお話。
まだプレートテクトニクス理論の生まれるとっと前に、寺田寅彦さんは考えついちょりました。まず、この界隈の珊瑚礁を調べ、その縦方向への成長速度が年間7mmということがわかりました。つまり、海底は、年間7mmづつ沈みゆうという訳ですね。で、この海岸段丘を調べてみると、この10万年間で190m~300m隆起しちゅうことが判明。つまりですね、100年~150年に一度の南海地震で、それまで70cmちょっと沈降しちょった海底が一気に1mちょっと隆起するということで、♪さ~んぽ進んでにっほさっがる~、がぢゃ無うて♪に~ほさがってさんぽ進む~、という感じであることを突き止めました。それで10万年で190m~300m。写真左の、山の高い部分がそれくらいの標高ながです。
海側のプレートが陸側のプレートの下に年7mmくらい沈み込み、100年~150年くらいは沈み込み続けちょいて、限界が来たところで一気に跳ね返って陸側が隆起した結果があの美しい海岸段丘なのであります。そんなことを寺田先生は考えた訳ですけんど、まさにプレートテクトニクス。