鏡川、山内神社、馬場孤蝶、一輪ノ皎月(こうげつ)〔950〕2005/11/21
2005年11月21日(月)快晴ですきに
真っ暗い写真ですが、よくご覧になってみてつかあさい。ここは鏡川沿い、山内神社境内東端。中天、樹々の梢の間に白いお月様が輝きよります。
なんでこの様なアングルの写真を撮ったかと申しますと、そのお月様の真下に、明治から大正昭和にかけて活躍した、土佐が生んだロマン派文学者「馬場孤蝶(ばばこちょう)」さんの文学碑があるからでございます。
このにっこりでは何度もご紹介しましたが、馬場孤蝶さんは、自由民権運動きっての論客馬場辰猪さんの弟。市内、金子橋の近く、現在の称名寺の真ん前に、兄弟生家跡の碑が立っちょります。
孤蝶さんは、20歳の時に東京の明治学院に入学、そこで島崎藤村さんと知り合い、友人となります。卒業後、高知へ帰って来ちょりましたが、友人の島崎藤村さんが孤蝶さんを訪ねて来高、5日間、文学の話に熱中します。この写真の碑から東へ数十メートル行った川縁の旅館で旧交を温めたそうですね。現在は美容院になっちょりまして、その前に二人の交歓の地である小さな記念碑が立っちょります。
で、島崎藤村さんから文学的刺激を受けまくった馬場孤蝶さん、早速上京し、高知出身にしては珍しくロマン的な詩作や小説で頭角を現しました。
その才能、知識、人柄で明治文壇の尊敬を集め、また、大きな影響を与えた文学者でございます。
この写真の碑の正面に刻まれちゅう文字は
一輪ノ皎月中天ニ
輝クヲ見タリ 孤蝶
今朝早く、太陽が昇る前の時間、この碑文の真上の中天に、白く美しい月が輝いておりました。