2025年も大晦日〔8295〕2025/12/31
2025年12月31日(水)晴れ!
大晦日。
このにっこりひまわりを描き始めて23度目の、大晦日。ひまわり乳業南国工場は、皆様に新鮮な商品をお届けする為、大晦日も頑張って操業しております。写真は、今朝4時半過ぎの工場。既に出勤して製造業務、充填業務、出荷業務が滞りなく進められております。
明日元旦は、製造や充填はお休み。ただ、乳牛は休まないので、タンクローリーの受け入れ業務だけはやならければならない、そんな宿命の牛乳工場。
2025年はどんな年だったでしょうか。
日本の酪農乳業にもいろんなことがありました。酪農業について言えば、コロナからこっちの非常に厳しい状況からは少しづつ脱出する1年となりました。ただ、予断は許しません。このことろの円安がキツいですねー。
コロナパンデミック、そしてウクライナ戦争により、国際穀物相場が暴騰して飼料価格が上昇したのに加え、エネルギーコストも増加。消費の減退で生産者乳価がなかなか上がらない中、全国的にも、廃業する酪農家さんが増えました。2021年度頃、日本の酪農家で黒字経営はほとんど無い、と言われたりしていたのでした。
その後、生産者乳価は3度にわたって引き上げが実施され、飼料価格などは高止まりが続いているものの、酪農業全体としてはやっと一息、といった状況にあると言えます。
今年8月に実施された生産者乳価の引き上げで牛乳のお値段も上がりましたが、消費者の皆さんのご理解により、消費量の減少も想定内に留まっています。さあ、ここからの、冬場(不需要期)の余乳対策が重要。日持ちがしない「牛乳」は、今も昔も「需給調整」が業界にとっての最重要課題。
そうそう。需給で思い浮かぶのがお米の値段。米不足による価格高騰が続いているけど、そして来年になったらかなり余る予想やけど、なかなか価格が下がらない。これは、農家から高く仕入れたお米をJAや問屋さんが抱え込んでいる、という構造が、価格高止まりにつながっているものだと思う。高く仕入れたものを安く売ると欠損がでてしまうから。
この風景、僕は見たこと、あります。10年以上前だったでしょうか。僕らの業界で、ありました。需給バランスが崩れて生乳が不足、まずは飲用向けが優先されるので、脱脂粉乳などの乳製品向けの生乳が不足。結果、市場の脱脂粉乳価格が暴騰、枯渇するという事態になりました。乳飲料等に脱脂粉乳を使用する僕らメーカーは、高いのもキツいけど、モノが無いのに苦労しました。
農水省に、緊急輸入などの措置を申し上げても、「計算上は国内の在庫でまわる」ということで、しばらく厳しい状況が続いたのでした。あの「計算上はある」というのが曲者やね。問屋やメーカーが抱え込んでしまうから。あの時も、需給が緩和して乳製品在庫が積み上がってきても、価格はなかなか下がらなかった。今のお米と同じ。だから、そのうち、時間差で価格は下がります。その後、何が起きるかというと、「余剰」。そうなることを、僕らは経験して知っています。
あの、脱脂粉乳不足の時、僕は農水省の役人さんに申し上げました。こんな状況が続くと、メーカーは脱脂粉乳を使わず、代替の輸入ホエーパウダーなどを使うようになる。無いから仕方ない。するとどうなるか。原材料を変更すると、パッケージの原材料表示も変更しないといけません。なので、もし将来脱脂粉乳が余ったと言うても、ホエーパウダーから脱脂粉乳には簡単に戻らない。表示まで変えてしまっているから。今、緊急輸入せんと、脱脂粉乳が余ったとき、僕は知らんよ、と。そして今、脱脂粉乳の余剰対策が業界の課題となっています。
こんなところが「農政」の難しいところ。誰か、本当に将来のことを見通して、世の中の雑音に惑わされずに考える政治家や役人がいればいいけど、なかなか難しいねー。
大晦日に長々と書いてしまいました。
日本の酪農乳業は、コロナからこっちの酷い状況から脱出する1年となりました。来年は、もっといい年にしたいですね。頑張りましょう。
2025年、本当にお世話になりました。2026年も、引き続き、何卒何卒よろしくお願い申し上げます。今年の締めくくりはもちろんこれ。
ほいたらね!
