須藤靖先生〔8043〕2025/04/23

2025年4月23日(水)晴れ
この「にっこり」では、幾度か、偉大なる高校の先輩の科学者のこと、書いて来てます。元京都大学総長で現静岡県立大学学長の、尾池和夫先生。地震学の、泰斗。時折高知新聞にも寄稿されますので、結構お馴染みの尾池先生。
で、もう一人、忘れてはならない高校の先輩の偉大なる科学者がいらっしゃいます。須藤靖先生。それこそ物理学の泰斗であり、元東京大学教授で、定年退官後は高知工科大学特任教授。高知新聞に、宇宙物理のことなどを書いてくれたこともある、須藤先生。
最先端の宇宙物理学は、真面目にやるととんでもなく難解なものやけど、須藤先生は、素人にもわかりやすく説明してくれるのが得意。
東大定年が近づいてきてからは、若手研究者が唱えたら批判を浴びそうな、凄まじく飛躍した宇宙論を研究したりされてて、面白い。功成り、名を遂げた偉大な研究者だから、できること。この宇宙の外には何があるのか、レベル1マルチバースから、何が何だかわからなくなるレベル4マルチバースまでを説明される、須藤先生。さすがの高知工科大学全卓樹先生も、かなり呆れ気味に紹介してました。
わかりやすく、とは言え、なかなか一筋縄ではいかない著書が多い中、この「AIなき世界に戻れるか?」というエッセイ集は読みやすいです。昨日、日帰り東京出張の移動中に読んでしまいました。
これ読んだらよくわかるけど、須藤先生、文章が上手い。独特のユーモアを交えるエッセイで、物理的内容も面白いけど、読み物としてもかなり秀逸。おすすめの、新書。
この本は集英社の「インターナショナル新書」。通常、こんな赤い表紙の新書ね。ところがこの「AIなき世界に戻れるか?」は少し見てくれが、違う。で、この青いカバーを外すと、この赤い表紙が現れます。
この青いカバー、これは、実は「帯」なんですね。ご存知でしたか?
業界用語では「高帯」。上端をご覧ください。ほんの少しだけ、1mmくらいだけ、元の表紙の白い部分が見えてます。だから、寸法としては表紙、カバーではなくて「帯」。
本の裏表紙にはISBNコードというのがあって、ピッと読み取れるようなっておるけど、表紙を変える場合はそのコードも変えなければならないんだそう。そこで、これはあくまで「帯」です、とすると、表紙と同じISBNコードを印刷できる、ということらしい。色々あるんだねー。
本屋さんで、同じシリーズの新書なのに、カバーが違うのがあったら、上端を見てみよう。それは「帯」かも知れません。どうでもいいですか?
本の世界も、こういった方法があったりと奥深い。文庫本でも、出版社によって「天アンカット」があったりしてね。
須藤靖先生の話でした。高校の3年先輩。尾池先生とか須藤先生とか、偉大な科学者がいるのは、ちょっと嬉しい。僕は完全文系人間で、科学はとっても苦手ですが・・・