龍神様が棲むダム〔7981〕2025/02/20

2025年2月20日(木)晴れ
そんな訳で、昨日はなんとか無事に、高知へ戻ってきました。疲れました。そして高知もひやいひやい。昨夜は宴会二つの梯子酒でしたが、店から外へ出るとひやかったです。今朝の高知市も氷点下。これがこの冬最後の冷え込みだ、などと何度書いたことか。もう、2月も下旬だというのに、高知でもまだ、山には雪。
今朝は、酪農家さんに用事があって、土佐町まで行ってました。大豊町、本山町、そして土佐町は見事な雪景色で、なかなか美しい。雪国の方々にとって、雪は生活の負担やけど、高知県人にとっての雪は非日常の幻想的な世界だったりも、します。もちろん山間部では、積雪で大変だったりもする訳やけど。
写真は、土佐町田井から撮影した早明浦ダム。雪の早明浦ダム。向こうの山は鎌滝山でしょうか。
早明浦ダム。渇水になって貯水量が減ると、ダム湖に水没していた旧役場の庁舎が姿を現すことで有名な、早明浦ダム。堤長400m、堤高106mの、巨大な直立式重力コンクリートダム。そんダム湖は、衛星写真で見ると、まるで「竜」。こりゃあ、龍神様も棲んでおられるでしょうね。
1976年高知新聞社発行の「高知県百科事典」には、こんなことが書かれています。以下転載。
香川用水、吉野川北岸農業用水が完成すると、その地域住民にも大きな恩恵を与えることになる。が一方、ダム建設のため、上流の土佐郡大川村では主な集落が水没し、多くの耕地を失い、村役場も移転した。水没世帯は356、うち大川村158、土佐町154である。しかも、年間利用水量8億6300万tのうち徳島県へ4億1000万t(47.8%)、香川県へ2億4700万t(28.8%)、愛媛県へ1億6000万t(18.7%)、高知県へは3900万t(4.5%)と、犠牲の割には地元への見返りは少ない。
以上転載。地元紙高知新聞の論調としては、こんな感じでした。利用比率は現在もそんなに変わらないと思うけど、最近はこういった「見返り」論もあんまし聞かんなったねー。でもやはり、こういった経緯と実情は、高知県人としては知っておきたい。
今の土佐町の人たちにとって、ここに巨大ダムがあるのは当たり前の風景。むしろ、ダムが無い風景は想像できないと思う。圧倒的な存在感。そして竜のようなダム湖。
龍神様の棲む湖として、売り出したらいいのにね。このダム湖の姿を見ると、「竜」が棲んでいるのは間違いない。