100年後の日本と高知〔7679〕2024/04/24
2024年4月24日(水)小雨
よう降りまんな。梅雨みたい。週間予報見ても傘のマークが多いねー。雨は僕の妄想を暴走させる訳やけど、今日はちょっと思索に耽ってみたい。
こんな記事を見つけました。朝日新聞デジタル。京都大学経済研究所の森知也さんという先生の、記事。「100年後、栄えるのは東京と福岡だけ」という結構刺激的な見出し。会員限定記事なので、詳しく読みたい方は、ぜひ会員登録を。
内容は、実に、まったく、僕のツボ。なので少しだけ紹介します。
まず、100年後の日本という切り口が新鮮だ。先生が言うているように、よく2050年頃の日本の話は出るけど「100年後」という未来予想って少ないよね。
人口戦略会議では100年後の人口を8千万人に食い止める議論が為されているけど、それは難しい、とおっしゃってます。おそらくは江戸時代と同じ3千万人台になる、というのが現実的な想定だ、と。
先生の想定は「都市」におけるシミュレーション。都市の盛衰は、かなり正確に予測できるから。そのシミュレーションでは、人口10万人以上の都市が半減し、多くの地方都市が消滅する、と。そして見出しにあるように、東京と福岡は栄えるけど、他は衰退していく。
福岡が残るのは、東京と距離があるのが一番大きい。そして、後背地が広いということ。そんな意味で仙台なんかも、比較的強い。ところが大阪は、衰退していく。それは、大阪が東京のクローンのような都市なのに東京に近いから。新幹線ができ、のぞみが走り始めて、衰退が始まった大阪は、リニアの開通で衰退が加速する。僕も、そう思う。リニアのメリットは、東京にしかないと、思う。
しかし名古屋は、残るだろうという予想。それは、名古屋が歴史的経緯から製造業が強い、という特徴を持っているから。未来の技術に適応して残っていく可能性がある、と言います。
大都市ではタワマンは廃れ、平坦化していく。だって、人口が減るから。そして大都市近隣の都市では「スポンジ化」が起きて、消滅していく。近隣の大都市に人口が移動し、すかすかになる。
そして。
「人口減少社会で注目すべきなのは、むしろ都市以外の地域である」と説く。「自然資源に恵まれているので、テクノロジーを使って、少人数でも農業、林業、漁業などの第一次産業で稼げる構造をつくることができる。」と述べ、「山陰地方や高知県など、鉄道や高速道路の幹線から外れたところのほうがむしろ伸び代がある」と言う。そう。そこだ。難しい課題はあるけど、可能性は高い、と。地方で人口が減っても、自然資源を活かし、スマート化などのテクノロジーを使ってお金を稼げる社会。
写真は今朝の日経新聞。またまたAIの記事。そろそろAIには日本の未来社会を考えてもらいたいねー。それは、森先生が言うてるような未来かも知れないし。東京に住む人達が人口問題や未来社会を考えるから、記事の冒頭に書かれているように、人口減少を「どこかひとごとのよう」に捉えているんだと思います。ここは、頭の良い客観的なAIに考えてもらおう。すると、この下の新幹線の記事も、答えが見えてくるかも知れないのに。
いい記事でした。僕は「便利な社会」より「良い社会」の方が、いい。
未来の日本を築く処方箋は、東京の永田町や霞ヶ関ではない場所で、考えよう。