南海地震と下知〔7554〕2023/12/21
2023年12月21日(木)晴れ
今年もあと10日か。はやいねー。はやい。押し迫って参りました。
77年前の今日早朝に発生したのが、昭和南海地震。昭和21年12月21日4時19分過ぎ、南海トラフで発生した地震は、津波で高知にも大きな被害をもたらしたことで、有名。震度は、高知では概ね5強くらいなので、みなさん思っているよるも小さい揺れだっかたも知れない。なので、地震後に襲ってきた津波や長期浸水の方の印象が強いかも知れません。
それでも、高知市や中村市の、地盤の緩い沖積平野では、家屋や構築物に大きな被害をもたらしています。
中村の旧市街では、家屋の倒壊率がなんと70%超。高知市でも、高知港警察署が、その建物が半分に折れたといいます。中村の四万十川の赤鉄橋が、12ケタのうち8ケタまで河中に墜落したというから、なかなかの揺れでした。
幾度も書いてきたように、昭和の南海地震は、かつて発生してきた南海トラフ大地震の中では例外的に規模が小さかったもの。だから、その被害状況だけで、来るべき南海地震のことを考えるのは危険なのでありますね。
東日本大震災の状況に鑑みて、津波の被害がかなりクローズアップされました。確かに、津波への意識は高まり、それなりに対策も進んでくるようには、なってます。ただ、高知市とか中村市とか土佐市とか、沖積平野の地盤が緩い土地に都市が形成されている場合は、揺れに対する備えも必要になります。あと、山崩れ。安政南海地震の状況を記した、宇佐、真覚寺住職静照さんの日記では、山へ避難しようとする際に、山崩れが障害になったようなこと、書かれています。
あと、高知市で問題になったのが、地震後の長期浸水。近年はかなり知られるようになったけど、南海地震が発生すると、高知県中部の平野は、地盤が沈降します。昭和南海地震では、20~30cmの地盤沈下が観測されているけど、たぶん、地震直後にはもっと沈下していたんではないでしょうかね。
下知地区が、堤防の仮補修ができるまで12日間水が引かなかったことに、高知県、高知市側の「高潮説」と大学側の「沈降説」が対立したのは、有名な話。もちろん真相は沈降やった訳やけど。
ここは今朝の下知。海抜-0.1m。太古の昔から、南海地震で沈降し、その上に土砂が堆積する、という歴史を繰り返してきた下知。下知の浦戸湾側には、近年、巨大堤防が、できました。
ところで、土佐の野菜。かつて、「弘岡のカブ」「潮江菜」そして「下知のネギ」が、その代表的作物だったそう。現在は絶滅しかかっている「下知のネギ」ですが、今、復活に向けた取り組みが進んでいて、なかなか嬉しい。
四国山地から河川によって運ばれてきた、ミネラルを含んだ土砂が堆積した土地。そこで長年、選抜などが繰り返されてできあがってきた「下知ネギ」。「下知ネギ」は、南海地震にも負けずに、残されてきたのでした。
昭和南海地震から77年。僕らも、負ける訳には参らない。