消防庁舎等用地造成工事〔7491〕2023/10/19
2023年10月19日(木)晴れ!
高知空港駐車場東側の、ここ。なんか、工事やってますよね。
どうやらこれ、「高知空港消防庁舎等用地造成工事」というもの、らしいです。高知空港の消防関連施設と言えば、防災ヘリが発着している高台がありますよね。「高知県消防防災航空センター」。ストリートビューで見ると、こんな感じ。高知空港界隈の標高は、概ね6mから7m。高知空港は海岸沿いにあるけど、物部川の扇状地として堆積した土砂の上なので、まあまあの標高なんでございます。高知市の市街地なんかよりはずっと高い標高に位置する高知空港。しかも、滑走路の辺りは盛土で更に高くなってて、9mから10m。津波に洗われる可能性はあるけど、長期浸水はしない高さ。
そして、この場所に消防庁舎が建設されるとのことで、津波にも負けない高さに造成される、ということらしいですね。なるほど。
現在のこの場所の標高は6m。ここに、どれくらいの盛土、するんでしょうかね。南国市の津波ハザードマップ見ると、この場所は、5mから最大10mの浸水予想。なので、10mくらい盛るんでしょうか。とすると、かなり高い。合計16mくらいの標高になって、南海地震の津波でも大丈夫、という訳だ。
ちなみに、海軍がここに飛行場を造成するまで、この場所にあった山が標高28.2mの室岡山。物部川の洪水にも、そして南海地震の津波にも対応できる高さの山で、多くの住民の命を救ってきた「命山」。
その山が切り崩され、その土砂によって造成されたのが高知空港の滑走路。なので、周辺よりも滑走路の標高が高くなっている訳ですね。
消防庁舎、ということは、南海地震が発生し、津波が襲ってきた地域の救助を行うことにもなるんでしょう。もちろん空港を利用した救助活動も。そんな重要な機能を備えた消防庁舎になるのであれば、この、かつての「命山」の近くに造成される高台はまさに「命山」。どんなものができるのか、楽しみではあります。
このハザードマップ見て気付いたけど、滑走路の北西端の部分って、浸水しないことになってますねー。盛土によって、標高は約12m。まさにこの場所は、弥生時代に集落が存在し、中世には守護代屋敷と環濠集落が広がっていた土地。
古代から、人々は、便利ではあるけど少しでも災害に強い土地を選んで暮らしてきた、ということが、このハザードマップからも窺い知れます。